セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

胆道(治療)3

タイトル 消P-130:

IPMNによる閉塞性黄疸に対しての、経皮経肝胆道ドレナージルートよりのステント閉塞防止の試み

演者 安倍 修(JR仙台病院・消化器科)
共同演者 及川 圭介(JR仙台病院・消化器科), 猪股 芳文(JR仙台病院・消化器科), 内山 志保(JR仙台病院・消化器科), 齋藤 真弘(JR仙台病院・消化器科)
抄録 膵管内乳頭粘液性腫瘍(Intraductal papillary mucinous neoplasm;以下IPMN) は一般には緩徐な発育を示し、膵腫瘍の中では比較的予後の良好な腫瘍として知られているが、総胆管に穿破した場合、産生される粘液による閉塞性黄疸はほぼ必発であり、かつ胆管炎を併発する。しかも、粘液胆汁のため胆道ドレナージを行ってもチューブの閉塞をきたし、管理に難渋する症例に臨床の現場ではしばしば遭遇する。今回我々は、総胆管穿破による閉塞性黄疸と急性胆管炎にて発症し、内視鏡的胆道ドレナージおよび経皮経肝胆道ドレナージを施行したものの、早期にステントチューブの閉塞をきたしたIPMNに対し、経皮経肝胆道ドレナージルートより挿入したメタリックステント内に細径の内外瘻チューブを留置してのステント内洗浄と、内視鏡用バルーンカテーテルによる粘液除去を試み、長期にわたる良好な経過が得られたため報告する。症例は86才男性。悪寒・戦慄と右季肋部痛、意識障害が出現し近医受診、高度の肝機能障害を伴う黄疸を指摘され当科紹介された。腹部CTにて拡張した肝内胆管と、膵頭部に充実性部分を有した嚢胞性腫瘍および主膵管の著明な拡張像を認め、閉塞性黄疸を伴う主膵管型IPMNと診断された。8FプラスティックステントによるEBD施行するも3日後に粘液によるステント閉塞による黄疸の増強と胆管炎再燃をきたしたため経皮経肝胆道ドレナージを施行した。径10mmのCovered Metalic stentによる内瘻化を行ったが、やはり早期に粘液による閉塞をきたすため、ステント内に細径の内外瘻チューブを留置しての生理的食塩水によるステント内洗浄を行ったところ長期開存が保たれ、また閉塞をきたした際も内視鏡用バルーンカテーテルにより機械的に粘液除去を行うことにより、ステント再開通が得られた。発症1年6ヶ月後の現在も外来通院中で、IPMNの粘液によるステント閉塞への対策として有用と考え報告する。
索引用語 IPMN, ステント閉塞