セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胆道(治療)3 |
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タイトル | 消P-133:胆嚢・総胆管結石症における総胆管結石截石術後の胆嚢摘出術の必要性 |
演者 | 美登路 昭(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科) |
共同演者 | 吉田 太之(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科), 沢井 正佳(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科), 森岡 千恵(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科), 武山 真也(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科), 堂原 彰敏(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科), 古川 政統(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科), 藤永 幸久(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科), 大谷 絵美(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科), 北川 洸(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科), 山尾 純一(奈良県立医大・中央内視鏡・超音波部), 福井 博(奈良県立医大・消化器・内分泌代謝内科) |
抄録 | 【目的】胆嚢・総胆管結石症に対する治療法としては、腹腔鏡下手術(LCBDE)とりわけ経胆嚢管法が理想的であるが普及はしておらず、多くの施設で内視鏡的総胆管結石截石術+胆嚢摘出術(胆摘)が標準治療となっている。この際、種々の理由で胆摘が追加されないことが問題点として挙げられる。今回、内視鏡的治療後の胆摘の必要性について検討する。【方法】対象は2005年から2011年の間に初めて胆嚢・総胆管結石症と診断された79例。男55例、女24例、平均年齢67.5歳。選択した治療法別に成績と偶発症、予後を検討した。【結果】対象症例の多くは癌や虚血性心疾患等の重篤な合併症を有していた。内視鏡的に総胆管結石截石後、胆摘を施行したのが33例、しなかったのが31例。胆摘施行後、内視鏡的に総胆管結石を截石したのが4例。外科的に胆摘と総胆管結石截石術を一期的に施行したのが6例。ステント留置のみが4例。無治療が1例。内視鏡的截石術のみを施行した群において、1例(重症心不全)で截石を完遂できなかったが、他群では全例で処置に成功。偶発症に関しては、内視鏡的処置を施行した72例中、膵炎3例、胆管炎2例、出血1例を認めたが、胆摘では、創傷治癒遅延を1例(血友病)に認めたのみであった。治療後に経過観察し得たのは71例(平均観察期間25.3ヶ月)で、そのうち総胆管結石截石術後に胆摘を施行しなかった30例中13例(43%)において、平均9.6ヶ月後に、胆嚢炎、胆管炎、胆石膵炎、落下結石を認め、処置を必要とした。一方、内視鏡的截石後、胆摘を施行した27例は、平均観察期間33.7ヶ月において、膵胆道系のイベントを起こさなかった。【結論】内視鏡的な総胆管結石截石術後には、可能な限り胆摘を追加する事が、結果的に低侵襲的治療となる可能性が示唆された。一期的に胆嚢摘出、総胆管結石截石が可能なLCBDEの普及も望まれる。 |
索引用語 | 胆嚢総胆管結石, 治療戦略 |