セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胆道(治療)4 |
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タイトル | 消P-137:当院における75歳以上の後期高齢者に対する胆石症の治療戦略 |
演者 | 伊藤 聡子(島根県立中央病院・消化器科) |
共同演者 | 上野 さや香(島根県立中央病院・消化器科), 福田 聡司(島根県立中央病院・消化器科), 三上 博信(島根県立中央病院・消化器科), 泉 大輔(島根県立中央病院・消化器科), 矢崎 友隆(島根県立中央病院・消化器科), 森藤 吉哉(島根県立中央病院・消化器科), 宮岡 洋一(島根県立中央病院・内視鏡科), 藤代 浩史(島根県立中央病院・内視鏡科), 高下 成明(島根県立中央病院・消化器科), 今岡 友紀(島根県立中央病院・消化器科) |
抄録 | 当院での75歳以上の急性胆嚢炎、総胆管結石症例に関して後ろ向きに検討を行った。2007年1月から2011年12月まで当院に急性胆嚢炎で入院加療が必要であった153人、A群;75歳以上が131人(M:F 78:53)、B群;74歳以下は122人(M:F 73:49)であった。A群は平均83.2(75-97)歳で胆石合併例は100例。処置はERCP/PTGBD/保存的加療/ERCP+PTGBD/手術;23/36/71/9/2人であった。胆嚢炎治療後に胆嚢摘出術を受けた症例は43例であり術後の死亡例は認めていない。ERCPにて総胆管結石を排石後、総胆管結石が再発した症例は10例であり全例再処置可能であった。B群は胆石の合併は99人。処置はERCP/PTGBD/保存的加療/手術;25/28/67/2人で有意差なく、後に胆嚢摘出術を受けた症例は83例で同様に有意差は認めていない。次に同期間のうち75歳以上で内視鏡的採石術を施行した146例の総胆管結石の完全採石率および術中経過を偶発症について検討した。平均年齢は81.7歳でM:F 75:71。乳頭処置はEST/処置後/EPBD/プレカット;114/28/3/1であり完全採石率は87.7%(128/146)であり、採石できなかった症例のうち5例は外科的処置、13例はERBDで経過観察となっている。術中の合併症は呼吸抑制が3.4%、血圧低下が2.7%のほか除脈、血圧上昇が2例ずつ認められた。平均内視鏡施行回数は1.4回(1-4回)であった。術後膵炎は16.4%でみられた。総胆管結石の再発は14.4%であり、内視鏡的採石術後の合併症として心不全の増悪が1例、死亡例は2例(肺炎1例、脳梗塞1例)であった。75歳以上の高齢者であっても75歳以下の症例と同様に急性胆嚢炎の治療は可能であり、内視鏡的採石術は75歳以上でも完全採石率は高く安全に施行可能であると考えられる。以上より当院では今後も必要に応じて総胆管結石においては内視鏡的採石術を行っていく方針であるが死亡例もあることより術中術後の管理には十分な注意が必要である。 |
索引用語 | 急性胆嚢炎, 高齢者 |