セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)胆道(腫瘍) |
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タイトル | 消P-146:肝外胆管癌における肝炎ウイルス関与の検討 |
演者 | 松本 和也(鳥取大・消化器内科) |
共同演者 | 三浦 典正(鳥取大・薬物治療学), 植木 賢(鳥取大・消化器内科), 原田 賢一(鳥取大・消化器内科), 八島 一夫(鳥取大・消化器内科), 武田 洋平(鳥取大・消化器内科), 河口 剛一郎(鳥取大・消化器内科), 池淵 雄一郎(鳥取大・消化器内科), 今本 龍(鳥取大・消化器内科), 佐々木 修治(鳥取大・消化器内科), 林 暁洋(鳥取大・消化器内科), 安部 良(鳥取大・消化器内科), 村脇 義和(鳥取大・消化器内科) |
抄録 | 【背景】近年肝炎ウイルスと胆管系悪性腫瘍との関連に関する報告が散見される。肝癌研究会からの報告では、肝内胆管癌ではHBsAg陽性例が6.3%、HCVAb陽性症例が18.8%とされている。本邦におけるHBsAgおよびHCVAb陽性例が1~2%であることを考慮すると、肝炎ウイルスと肝内胆管細胞癌との関連は明らかである。しかし、肝外胆管癌と肝炎ウイルスとの関連に関しては十分に検討されていない。【目的】今回肝外胆管癌と肝炎ウイルスとの関連を明らかにするため、肝外胆管癌症例で肝炎ウイルス感染率を調査した。【対象と方法】平成3年~23年の20年間に当科にて経験した肝外胆管癌100例中肝炎ウイルスの検査がされていた95例(総胆管癌55例、胆嚢癌35例、乳頭部癌5例)を対象とした。HBsAg陽性率およびHCVAb陽性率を検討した。【結果】肝外胆管癌における肝炎ウイルス陽性率は、全体で11.6%(11/95例)、HBsAg陽性例4.2%(4/95例)、HCVAb陽性例7.4%(7/95例)と、いずれにおいても本邦におけるHBsAgおよびHCVAb陽性症率に比較して高い傾向を認めた。部位別の検討では、総胆管癌12.7%(7/55例:HBsAg陽性2例、HCVAb陽性5例)、胆嚢癌8.6%(3/35例:HBsAg陽性2例、HCVAb陽性1例)、乳頭部癌20%(1/5例、HCVAb陽性1例)であった。【結語】今回の検討で、肝外胆管癌において肝炎ウイルスの関与が明らかにされた。このメカニズムは不明であるが、胆汁を介して肝炎ウイルスの直接作用などの可能性が挙げられる。B型肝炎およびC型肝炎の持続感染者では、肝細胞癌のスクリーニングとともに、肝外胆管癌のチェックが必要と考えられた。 |
索引用語 | 肝外胆管癌, 肝炎ウイルス |