セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(基礎)1

タイトル 消P-162:

抗糖尿病薬Metforminよる膵癌細胞増殖の抑制機構―MetforminのターゲットmicroRNAの同定

演者 加藤 清仁(香川大附属病院・消化器・神経内科)
共同演者 鎌田 英紀(香川大附属病院・消化器・神経内科), 正木 勉(香川大附属病院・消化器・神経内科)
抄録 【目的】近年、抗糖尿病薬であるMetforminが、前立腺癌、乳癌に対して抗癌作用を持つことが報告されている。今回、我々は、Metforminの膵癌に対する抗癌作用を培養細胞株、実験モデル動物を用いて検討した。更にMetforminの抗癌作用に関連するmicroRNAの同定を網羅的に解析した。【方法】1.in vitroの系:膵癌細胞株として、Panc1,PK1,PK9を使用し、Metformin投与による細胞増殖をcell proliferation assayにより検討し、種々の細胞周期関連分子の発現動態はWestern blot法により検討した。また、Metformin投与により、誘導され得るmiRNAsを1000分子が搭載されたアレイを用いて網羅的に検討した。2. in vivoの系 :Panc1細胞をヌードマウスに皮下移植し、Metforminがin vivoにおいても増殖を抑制するかを検討し、膵癌細胞株におけるMetformin投与による細胞周期関連分子、miRNAsについても、in vitroの系と同様に検討した。【結果】1.in vitroの系:Metfromin投与は非投与群と比較して、3種類全ての膵癌細胞株で増殖は抑制されていた。Metformin投与は非投与と比較し、CyclinD1, Cdk4, Cdk6の発現が抑制され、Rb、IGF-1R、EGFRのリン酸化は低下していた。また、Metformin投与により、様々なmiRNAsの発現動態が変化し、特に癌抑制miRNAsであるhsa-let-7familiyなどの発現は昂進していた。2.in vivoの系:Metformin投与は、膵癌細胞の増殖を顕著に抑制し、さらに、細胞周期関連分子、miRNAsの動態変化もin vitroの系に類似していた。【結論】Metforminが膵癌に対し抗がん作用を持つことをin vitro, in vivoの系において証明した。さらに、そのMetforminの抗癌作用の一つに癌抑制miRNAsであるhas-let-7familiyなどを誘導し、EGFRを抑制し細胞周期のG1期で停止させることにより癌細胞の増殖を抑制することが示唆された。
索引用語 膵癌, Metformin