セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
膵臓(基礎)2
|
タイトル |
消P-169:Amphiregulin, Epiregulinを介した膵がん増殖進展機序の検討
|
演者 |
大崎 理英(滋賀医大・消化器内科) |
共同演者 |
稲富 理(滋賀医大・消化器内科), 塩見 尚礼(滋賀医大・消化器・乳腺・一般外科), 仲 成幸(滋賀医大・消化器・乳腺・一般外科), 来見 良誠(滋賀医大・総合外科), 辻川 知之(滋賀医大・総合内科), 安藤 朗(滋賀医大大学院・感染応答・免疫調節部門(消化器免疫)), 藤山 佳秀(滋賀医大・消化器内科) |
抄録 |
Amphiregulin (AR), Epiregulin (ER)はともにチロシンキナーゼ領域を含む膜貫通型受容体EGFRsをリガンドとする細胞増殖因子EGFファミリーに属し、さまざまな上皮や間質系細胞の増殖作用を示すことが知られている。今回我々は、膵局所におけるAR, ERの発現について培養細胞および膵癌切除標本を用いて検討した。【方法】(1)単離培養した膵筋線維芽細胞およびpanc-1細胞においてEGFRmRNA発現を電気泳動にて検討した。(2)培養膵筋線維芽細胞およびpanc-1細胞をさまざまなサイトカインやAR, ERで刺激し、ARおよびERの発現を検討した。(3)膵切除標本を用いて、膵癌組織におけるAR, ER発現を免疫組織染色にて検討した。【結果】(1)膵筋線維芽細胞およびpanc-1細胞においてEGFRの発現が認められた。(2)培養筋線維芽細胞およびpanc-1細胞でAR, ERの発現はInterleukin(IL)- 1βの刺激により強く誘導された。培養筋線維芽細胞ではAR, ERの発現は濃度依存的に認められた。(3)免疫染色では、癌領域においてAR, ERの発現が亢進しており、その発現はαSMAの発現に一致していた。【考察】培養筋線維芽細胞においてARおよびERの発現が認められた。これらの発現はautocrine作用を持ち、更にIL-1βにより強く誘導された。また、膵癌組織においてもその発現が示唆され、膵癌の進展増殖にAR, ERの発現を通じて筋線維芽細胞が関与する可能性があると考えられた。 |
索引用語 |
膵臓癌, 膵線維芽細胞 |