セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)膵臓(診断)1 |
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タイトル | 消P-171:当院におけるセルブロック法による経乳頭的擦過細胞診の成績 |
演者 | 天野 歩(横浜南共済病院・消化器内科) |
共同演者 | 洲崎 文男(横浜南共済病院・消化器内科), 今井 香菜(横浜南共済病院・消化器内科), 川西 彩(横浜南共済病院・消化器内科), 山田 博昭(横浜南共済病院・消化器内科), 井上 俊太郎(横浜南共済病院・消化器内科), 寺田 昌弘(横浜南共済病院・消化器内科), 石井 寛裕(横浜南共済病院・消化器内科), 京 里佳(横浜南共済病院・消化器内科), 小谷 祥仁(横浜南共済病院・消化器内科), 鹿野 千行(横浜南共済病院・消化器内科), 岡崎 博(横浜南共済病院・消化器内科), 河野 尚美(横浜南共済病院・病理診断科), 渡辺 睦子(横浜南共済病院・病理診断科) |
抄録 | 【目的】セルブロック法は液状検体の沈渣を固定、包理し切片を作成して細胞を二次元的に観察するものである。セルブロック法は膵液細胞診やEUS-FNAの穿刺材料などで有用性が報告されているものの、消化器領域における細胞診の方法として一般的ではない。当施設では2007年から経乳頭的擦過細胞診においてセルブロック法を導入しているので、その成績を報告する。【方法】2007年7月から2012年2月にかけて当施設で経乳頭的擦過細胞診を行った152症例のうち生検または手術で確定診断した46症例を対象とした。対象の内訳は男性27例、女性19例、平均年齢72.3歳で、胆管擦過細胞診は31例、膵管擦過細胞診は20例で行われた(重複あり)。原疾患は膵管癌18例、膵管内乳頭粘液性腫瘍4例、肝外胆管癌15例、肝内胆管癌1例、良性胆管狭窄5例、良性膵管狭窄3例であった。経乳頭的擦過細胞診の際、塗沫標本を作成後のブラシを生理食塩水で洗浄し、遠心分離した沈渣をホルマリン固定してパラフィン切片を作成した。細胞診の判定は塗沫標本、セルブロック法で悪性度の高い方を採用し、Class3bは疑陽性とした。【成績】組織学的な診断は悪性腫瘍26例、良性疾患20例であったのに対しClass3bを含めると細胞診陽性は18例で感度57.7%、特異度85%であった。Class4、5に限ると細胞診陽性は12例で感度は38.5%、特異度は90%であった。またセルブロック法による細胞集塊の詳細な観察は診断の補助となった。【結論】経乳頭的擦過細胞診の癌陽性率は40~60%程度の報告が多く、本研究の成績もその範囲内であった。しかしセルブロック法は細胞集塊の観察には有用であり、擦過細胞診の診断精度向上に一定の貢献があるものと考えられる。 |
索引用語 | 擦過細胞診, セルブロック法 |