セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(診断)1

タイトル 消P-175:

USを契機に発見された膵癌の検討

演者 大畠 昭彦(藤枝市立総合病院・消化器科)
共同演者 丸山 保彦(藤枝市立総合病院・消化器科), 景岡 正信(藤枝市立総合病院・消化器科), 森 雅史(藤枝市立総合病院・消化器科), 志村 輝幸(藤枝市立総合病院・消化器科), 宇於崎 宏城(藤枝市立総合病院・消化器科), 渡辺 文利(浜松南病院・消化器病・IBDセンター)
抄録 【はじめに】USは非侵襲的で簡便にできる検査であるため膵癌の早期発見には有用である。そこで当院における無症状患者でUSを契機に発見された膵癌症例をretrospectiveに検討し市中病院におけるUS発見膵癌の臨床像を検討する。【対象】2005年1月~2011年7月において無症状でUSを契機に発見された膵癌22例。【検討】1)USを行った理由、2)US所見、3)他の画像診断所見、4)stageと治療【結果】1)糖尿病発症時・増悪時 7例、他臓器疾患の経過観察 6例、他臓器疾患のスクリーニング 3例、血液検査異常 3例、ドックなど 2例、慢性膵炎経過観察  1例。2)腫瘍描出例 16例。平均腫瘍径24.5mm、頭部7例、体部9例。腫瘍非描出例6例、平均腫瘍径25.7mm、頭部3例、体部2例、尾部1例。3)USで腫瘍が描出されなかったもののうち3例がCT、MRI、EUSでも腫瘍が描出されなかった。CTは全例施行しており、18例で腫瘍が描出された。MRI、EUSは未施行例が多かった。膵管造影は17例に施行しており、16例で異常所見を認めた。細胞診を施行した14例中class IIIb以上は8例であった。stage Iに限ると6例中3例であった。4)stage I 9例、III 1例、IVa 6例、IVb 5例、不明1例。治療は手術が8例、化学療法6例、放射線化学療法2例、緩和5例、他院へ紹介1例であった。【考察】USで拾い上げられた例は糖尿病患者のようにリスクのある場合や他疾患の経過観察のようにUSを行う機会が多い症例であった。膵管造影で異常がとらえられることが多いので細胞診と組み合わせた検査が必要である。だが、病期、高齢、他疾患などから非切除例も多く存在していた。【結語】無症状で経過し発見時には進行したものも多かったが、切除可能な病変の発見には糖尿病患者のUSと頻回なUSの機会を得て拾い上げ、膵管造影を行うことが重要であると考えられた。
索引用語 US, 膵癌