セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(診断)1

タイトル 消P-176:

術前にportal annular pancreas(PAP)を診断しえた膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の1例

演者 近藤 恵里(杏林大・外科)
共同演者 渋谷 学(杏林大・外科), 鈴木 裕(杏林大・外科), 松岡 弘芳(杏林大・外科), 阿部 展次(杏林大・外科), 柳田 修(杏林大・外科), 正木 忠彦(杏林大・外科), 森 俊幸(杏林大・外科), 杉山 政則(杏林大・外科)
抄録 【はじめに】腹側膵が門脈を輪状に巻き込み膵体部と融合する形態学的異常、PAPは稀である。術前にPAPを診断しえたIPMNの1例を経験したので報告する。【症例】70歳女性。【主訴】特になし。【現病歴】気管支喘息で近医通院中、CTにて膵管拡張を指摘。精査にてIPMNの診断、手術加療目的に当科紹介。CTで門脈の背側に主膵管があり、膵体部に3cm大の嚢胞と1cm大の壁在結節を認めた。門脈は膵実質に完全に取り込まれていた。ERCPでは主膵管が拡張し、膵液は粘調が高く、細胞診はclass3。術前診断は複合型IPMNで幽門温存膵頭十二指腸切除術を施行。膵は上腸間膜動脈の左縁で切離。門脈直上で膵のトンネリングしanterior partを切離後、門脈を膵から剥離し門脈右縁でposterior partを切離。病理はintraductal papillary mucinous adenomaであった。【考察】腹側膵が過剰発育し、門脈の左縁で背側膵と癒合することで門脈が膵実質に取り込まれる形態異常と考えられる。PAPの報告例は13例と極めて稀であり、術前からをPAPを診断しえたのは本症例のみであった。
索引用語 portal annular pancreas, IPMN