セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)膵臓(診断)2 |
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タイトル | 消P-179:慢性膵炎早期診断における体外式超音波検査の可能性 |
演者 | 石井 康隆(広島大・消化器・代謝内科) |
共同演者 | 佐々木 民人(広島大・消化器・代謝内科), 芹川 正浩(広島大・消化器・代謝内科), 小林 賢惣(広島大・消化器・代謝内科), 神垣 充宏(広島大・消化器・代謝内科), 南 智之(広島大・消化器・代謝内科), 岡崎 彰仁(広島大・消化器・代謝内科), 行武 正伸(広島大・消化器・代謝内科), 石垣 尚志(広島大・消化器・代謝内科), 小酒 慶一(広島大・消化器・代謝内科), 毛利 輝生(広島大・消化器・代謝内科), 吉見 聡(広島大・消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大・消化器・代謝内科) |
抄録 | 【緒言】慢性膵炎の早期診断の中心は超音波内視鏡検査(EUS)であるが、EUSは簡便で侵襲性の低い検査とは言い難い。一方、近年の超音波診断装置の進歩は目覚ましく、画質の向上だけではなく、Real-time Tissue Elastography(RTE)などの新しい技術も臨床適用されている。今回、体外式超音波検査(US)により慢性膵炎の早期診断が可能かどうかを検討した。【方法】2011年7月から2012年3月にリニア探触子(3~7MHz)を用いて膵の観察およびRTEを施行した早期慢性膵炎のEUS基準を満たす9例(早期例)を対象として、USとEUSの所見を比較検討した。また、EUSを含む2つ以上の画像検査にて正常膵と診断した15例(正常例)と慢性膵炎確診11例(確診例)を対照として、RTEによる膵の硬さを比較検討した。超音波診断装置はHI VISION Ascendus(Hitachi Aloka Medical)を使用した。また、RTEによる膵の硬さの評価は膵体部でStrain Histogram計測機能を用い、肝臓領域で使用されているLiver Fibrosis Index(LF Index)を応用して行った。【結果】早期例において、US/EUSで認められた早期慢性膵炎診断基準のEUS所見数は蜂巣状分葉エコー0/1、不連続な分葉エコー2/4、索状高エコー9/9、点状高エコー2/2、嚢胞5/5、膵管辺縁高エコー5/3、分枝膵管拡張0/1であった。USとEUSの所見が完全に一致したのは4例であったが、全例USで診断基準を満たすEUS所見が得られた。RTEの検討では、慢性膵炎例は色のばらつきが大きく、まだらな画像パターンを示した。LF Indexの中央値は正常例2.57、早期例4.12、確診例4.32であり、早期例と確診例は正常例と比較して有意に高値であった(P<0.01)。【結語】超音波診断装置の進歩により、USでも慢性膵炎を早期に診断できる可能性がある。RTEで得られた情報と線維化の相関を評価するためには病理所見との対比が今後必要である。 |
索引用語 | 早期慢性膵炎, Elastography |