セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(診断)2

タイトル 消P-182:

当院におけるTS1膵癌手術症例の検討

演者 宮澤 志朗(北里大東病院・消化器内科)
共同演者 木田 光広(北里大東病院・消化器内科), 徳永 周子(北里大東病院・消化器内科), 山内 浩史(北里大東病院・消化器内科), 奥脇 興介(北里大東病院・消化器内科), 岩井 知久(北里大東病院・消化器内科), 竹澤 三代子(北里大東病院・消化器内科), 菊地 秀彦(北里大東病院・消化器内科), 今泉 弘(北里大東病院・消化器内科), 小泉 和三郎(北里大東病院・消化器内科)
抄録 【はじめに】膵癌は集学的療法にもかかわらず依然として予後不良の癌であり,治療成績を決定する最大の要因は診断時の腫瘍進展度とされ,早期に発見することが必要不可欠である。【方法】1987年から2011年の間に当院にて通常型膵癌に対し外科的切除術を施行し病理組織学的にTS1膵癌であった30例を対象とした。【結果】男女比は13:17,平均年齢66.7±7.5歳,腫瘍存在部位はPh/Pb/Pt=22:8:0であり、膵頭部の症例が多かった。術後stageはstage1/2/3/4a=9:1:14:5とTS1膵癌のうちstage1の割合は30%であった。腫瘍径を10mm内の6例に限っても,RP,Nの因子が陽性例が多くstage1の割合は33%と低値であった。発見契機は,黄疸/尿黄染が10例(33%)で最も多く,以下,腹痛8例(27%),健診でのUS 6例(20%),他疾患での画像検査4例(13.3%),糖尿病の増悪が2例(6.7%)で無症状例は40%であった。血清学的マーカー陽性率は,CEA13%,CA19-9 50% ,DUPAN2 24%,Span1 50%,Elastase1 50%で,画像検査において腫瘍描出率は,EUS,US,CTの順に高く,主膵管の2次的変化はUS,CT,MRCPいずれの検査法でも約80%に認識された。膵液細胞診施行例においては全体で50%の陽性率であったがstage1に限ると5例(100%)いずれにおいても陽性だった。5年生存率はstage1で42.3%,stage3で34.6%、stage4aで17.9%であった。【結語】腫瘍マーカー陽性例、腹部USにて膵管の変化が認められる場合には,積極的にEUSと膵液細胞診を行うことが膵癌の早期診断のためには有効であり、健診受診率の向上、精査の確実な実施のための紹介体制の確立が重要と考えられた。
索引用語 膵癌, 検査