セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(急性膵炎)

タイトル 消P-186:

当院における急性膵炎の検討 ―新旧の重症度判定基準での判定―

演者 加藤 隆介(済生会吹田病院・消化器内科)
共同演者 島 俊英(済生会吹田病院・消化器内科), 社浦 幸恵(済生会吹田病院・消化器内科), 西脇 聖剛(済生会吹田病院・消化器内科), 堀元 隆二(済生会吹田病院・消化器内科), 大矢 寛久(済生会吹田病院・消化器内科), 天野 一郎(済生会吹田病院・消化器内科), 関 耕次郎(済生会吹田病院・消化器内科), 橋本 宏明(済生会吹田病院・消化器内科), 天方 義郎(済生会吹田病院・消化器内科), 松本 淳子(済生会吹田病院・消化器内科), 田中 いずみ(済生会吹田病院・消化器内科), 澤井 直樹(済生会吹田病院・消化器内科), 水野 智恵美(済生会吹田病院・消化器内科), 水野 雅之(済生会吹田病院・消化器内科), 岡上 武(済生会吹田病院・消化器内科)
抄録 【目的】2008年10月に急性膵炎重症度判定基準が改訂され、新基準では予後判定因子の項目が簡便となり、CT所見が独立項目となった。改訂以前の症例を新基準であてはめ、また改訂後の症例についても旧基準で検討し直すことにより、新基準の妥当性について検討した。【対象と方法】当院において2007年~2011年までの5年間で経験した急性膵炎129例(男:84 女:45)を対象とした。判定は入院時の予後因子スコア、造影CTで行い、欠損項目は陰性とした。【結果】129例の成因は胆石性44例、アルコール43例、特発性16例、慢性膵炎急性増悪12例、悪性腫瘍12例、その他2例。原病死は2例で新旧基準いずれにおいても重症例であった。重症度は旧基準で軽症/中等症/重症=95/16/18であり、新基準では軽症/重症=115/14であった。旧基準での軽症は新基準では全例軽症、中等症は新基準では軽症/重症=12/4であったが、新基準で軽症と判定された2例が重症化した。重症例は軽症/重症=8/10であり、軽症と判定された1例が重症化した。重症化した3例中2例で動注、CHDFなどの特殊治療を行っていた。平均絶食期間、入院期間については旧基準で軽症、中等症では有意差を認めなかったが、中等症と重症では有意な差を認めた。新基準においてCT gradeのみで重症と判定されたものは5例(35.7%)、予後因子のみにより判定されたのは5例(35.7%)、CT、予後因子両方により重症と判定されたのは4例(28.6%)であった。また、CT grade2以上とgrade1、予後因子で3点以上と2点以下では絶食期間、入院期間に有意差を認めた。【結論】旧基準で軽症と判定された症例に重症化例はなかったが、新基準で軽症と判定されても重症化する例があり、経時的な評価は必要であると考えられた。また新基準のCT grade、予後因子について治療期間に有意差を認め、新基準の妥当性が示唆された。
索引用語 急性膵炎, 重症度判定基準