セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(急性膵炎)

タイトル 消P-187:

経皮的及び内視鏡的ドレナージで治療した膵仮性嚢胞及びWOPNの5症例

演者 三浦 邦治(さいたま市立病院・消化器内科)
共同演者 柿本 年春(さいたま市立病院・消化器内科), 辻 忠男(さいたま市立病院・消化器内科), 加藤 まゆみ(さいたま市立病院・消化器内科), 桂 英之(さいたま市立病院・消化器内科), 金田 浩幸(さいたま市立病院・消化器内科), 篠崎 博志(さいたま市立病院・消化器内科), 宮永 亮一(さいたま市立病院・消化器内科), 山藤 和夫(さいたま市立病院・外科), 竹島 薫(さいたま市立病院・外科), 岡本 信彦(さいたま市立病院・外科)
抄録 【目的】急性膵炎後の仮性嚢胞は保存的に軽快する場合が多いが、腹痛や感染などの有症状例は治療の対象となる。保存的に軽快しない間質性浮腫性膵炎後の仮性嚢胞、壊死性膵炎後のWOPN(walled-off pancreatic necrosis)について治療法を比較検討する。【方法】2009年5月から2012年3月までの間に急性膵炎後仮性嚢胞及びWOPNで保存的治療では改善しなかった5例を対象とし、治療法について検討した。【成績】年齢は54歳から77歳まで(平均69歳)、男性4例、女性1例であった。間質性浮腫性膵炎後に仮性嚢胞を来した例が2例、壊死性膵炎後のWOPNを来した例が3例であった。経皮的ドレナージを施行した例は5例全例であり、ドレナージ開始日は発症から24日から130日(平均79日)であった。間質性浮腫性膵炎後の仮性嚢胞の2例は、それぞれ経乳頭的、経胃的にステント挿入し、内瘻化することで改善した。壊死性膵炎後WOPNを来した3例は、経皮的な瘻孔をPTCSチューブや胸腔ドレナージチューブを用いて瘻孔を拡大し、胆道鏡や気管支鏡、上部消化管内視鏡を用いて、直視下にネクロゼクトミーを追加して壊死組織を除去した。壊死組織除去後、経乳頭的アプローチが可能であった2症例には経乳頭的にステントを挿入した。膵管非癒合であり、副乳頭が観察できなかった1例は経胃的にステントを挿入し内瘻化した。【結論】間質性浮腫性膵炎後の保存的に改善しない膵仮性嚢胞はドレナージを施行し、内瘻化すると炎症は改善したが、壊死性膵炎後のWOPNの症例では、ドレナージのみでは改善せず、内視鏡的ネクロゼクトミーを必要とした。
索引用語 急性膵炎, 仮性嚢胞