セッション情報 シンポジウム6(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器がん検診学会合同)

画像強調内視鏡の現状と今後の展開-咽頭から十二指腸まで

タイトル 内S6-10:

SM500μm以上浸潤胃癌のNBI拡大内視鏡診断の可能性と限界の検討

演者 八木 一芳(新潟県立吉田病院・内科)
共同演者 遠藤 新作(新潟県立吉田病院・内科), 中村 厚夫(新潟県立吉田病院・内科)
抄録 【目的】演者はsm500μm以上浸潤癌(sm2癌)の拡大像を以前報告したが、さらにそれらの所見を再検討した。【方法】2009年以前にsm2癌で観察されるNBI拡大像として抽出した(A)interrupted pattern、太い血管がブツブツと断裂している像(B)white zone(WZ)による粘膜模様の高度不明瞭・複雑化(C)WZの高度小型不整化(D)irregular mesh pattern、網目血管が基本であるが断裂、不整血管介入などが目立つ像を検討所見とした。2010年からESDを施行した114病変にそれらが観察できるか否かを前向きで検討した。NBI拡大観察は2名の内視鏡医で行い、κ値が0.60以下の所見は客観性が乏しいと考え不採用とした。通常内視鏡を中心に総合的には114例全例m癌と診断されESDが行われた。【成績】114病変中m癌は104病変、sm1は1病変(mとsm1は以後M群)、sm2は9病変(SM群)であった。サイズはM群15mm、SM群28mmでSM群が大きかった(p=0.004)。組織学的にはM群はtub1:82例、tub2:17例、tub+pap:6例、SM群はtub1:3例、tub2:4例、tub+pap:2例であった。κ値は(A)0.49(B)0.73(C)0.58(D)0.69であり、今回は(B)と(D)の所見のみの検討とした。(B)のsm2の感度は56%、特異度は94%、PPV=31%、NPV=96%、(D)のsm2の感度は33%、特異度は98%、PPV=50%、NPV=95%であった。9例のsm2癌のうち5例は(B)を、3例は(D)を認め(1例は両者を認めた)、2例はいずれも認めなかった。いずれの症例もsm2の部分は数mmのみであり(B)または(D)の所見の一部にsm2を認めたのみであった。組織分類では(B)を示したSM群はtub1:1例、tub2:2例、tub+pap:2例、M群はtub1:6例、tub2:5例であった。(D)を示したSM群はtub1:0例、tub2:2例、tub+pap:1例、M群はtub1:0例、tub2:3例であった。【結論】1.(B)も(C)も存在しない場合はmまたはsm1の可能性が高い。2.(B)または(C)の所見がある場合はsm2以深の部分を伴っている可能性があることが判明した。しかしm癌でも観察され、単に表層のtub2成分を観察している可能性が高い。ESD前の参考所見としては使用できるが更なる検討が必要である。
索引用語 sm胃癌, NBI拡大内視鏡