セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(自己免疫性膵炎)

タイトル 消P-191:

当院で経験した自己免疫性膵炎7例の長期経過

演者 岸野 竜平(東京都済生会中央病院・消化器内科)
共同演者 中澤 敦(東京都済生会中央病院・消化器内科), 瀧田 麻衣子(東京都済生会中央病院・消化器内科), 関 恵理(東京都済生会中央病院・消化器内科), 岩崎 栄典(東京都済生会中央病院・消化器内科), 泉谷 幹子(東京都済生会中央病院・消化器内科), 向井 清(東京都済生会中央病院・消化器内科), 塚田 信廣(東京都済生会中央病院・消化器内科)
抄録 【はじめに】第97回日本消化器病学会総会において、当院で経験した自己免疫性膵炎6例の診断・治療について報告した。4例ではステロイド投与により寛解導入、維持投与を現在も継続している。手術施行例の2例は維持療法なしに経過観察している。プレドニゾロン投与による寛解維持に関しては5mg/日以上を3年と言われているが、明確な基準がなく施設間でも方針が異なっているのが現状である。今回、新規診断1例を加えて、当院の自己免疫性膵炎7例の長期経過について検討した。【新規症例】新規症例は67歳男性で、黄疸精査にて入院となった。CTで膵の瀰漫性の腫大を認め、自己免疫性膵炎が疑われた。IgG4は426mg/dlと高値であった。入院後第5病日よりプレドニゾロン30mg/日投与を開始して膵腫大および黄疸は改善し、肝・胆道性酵素の低下を認めた。外来にてプレドニゾロンを減量していたが内服を2週間自己中断したところ黄疸が出現し、再受診した。肝・胆道系酵素の再上昇を認め、プレドニゾロン30mg/日で再開したところ速やかに改善を認めた。【結果】 寛解維持例4例ではプレドニゾロン(2-7.5mg/日)を投与継続されている。2mg/日投与中の症例ではIgG4が1100mg/dlと上昇し十二指腸球部の腫大を認めているが、症状はなく患者の希望により同量で経過を観察中である。他の症例では、画像検査でも膵腫大等は認めずに、肝・胆道性酵素、IgG4も正常範囲で、寛解が維持されて順調に経過している。再燃に先行してIgG4の上昇を認めると言われているが、IgG4高値例はPSLの増量を行ってないので、自己免疫性膵炎の自然経過をみるうえで貴重な症例と考える。今後もPSL寛解維持効果の検索のために慎重に経過観察すべきと思われる。【結論】当院で経験した自己免疫性膵炎7例のPSL寛解維持効果を含めた長期経過について検討してここに報告する。
索引用語 自己免疫性膵炎, ステロイド