セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)膵臓(自己免疫性膵炎) |
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タイトル | 消P-194:音響放射圧(ARFI)を用いた自己免疫性膵炎、IgG4関連病変における硬度測定 |
演者 | 平野 賢二(東京大・消化器内科) |
共同演者 | 笹平 直樹(東京大・消化器内科), 伊佐山 浩通(東京大・消化器内科), 秋山 大(東京大・消化器内科), 渡邊 健雄(東京大・消化器内科), 斎藤 友隆(東京大・消化器内科), 高原 楠昊(東京大・消化器内科), 水野 卓(東京大・消化器内科), 川久保 和道(東京大・消化器内科), 木暮 宏史(東京大・消化器内科), 佐々木 隆(東京大・消化器内科), 山本 夏代(東京大・消化器内科), 多田 稔(東京大・消化器内科), 小池 和彦(東京大・消化器内科), 八島 陽子(杏雲堂病院・消化器肝臓内科) |
抄録 | 【背景】自己免疫性膵炎(AIP)やIgG4関連病変において病変硬度は増しているものと考えられるが、定量的に評価した報告はない。【対象と方法】当科でAIPの治療を受けた9例10病変(膵病変9例、腸間膜偽腫瘍1例)を対象とした。通常のBモード超音波で病変部を観察した後ARFIモードに切り替え、せん断弾性波を測定した。1)治療前のAIP膵病変の硬度を健常人38例、慢性膵炎32例の膵硬度と比較、2)AIP治療前後のIgG4関連病変の硬度とその推移の検討、を行った。【結果】1)治療前のAIPの膵硬度(せん断弾性波速度)の測定値は 2.05±0.99 m/sであり、健常人の測定値1.30±0.34 m/sより有意に高値であった(P=0.017)。一方、慢性膵炎における測定値2.09±1.03 m/sとは有意差を認めなかった(P=0.789)。2)AIP治療前のIgG4関連病変の硬度は2.31±1.24 m/sであった。AIP治療後の病変硬度は6病変で測定値が得られた。治療前後の測定値の得られた6病変についてみると、治療前の病変硬度2.71±1.32 m/s、治療後は2.26±1.24 m/sと治療後で減少が認められたものの有意差までは認められなかった(P=0.359)。治療前の測定値が3 m/s以上であった3病変は明らかな硬度の減少を認めたが、3 m/s未満の3病変では不変~微増であった。また、前者の3病変が比較的エコーによる描出が容易であったのに比して、後者の3病変はいずれも治療後にエコーでの描出が消化管ガスのためにやや困難に感じた症例であった。【結論】AIPの治療前の膵硬度は慢性膵炎と同等であり、健常人より高い値であった。治療前後で病変硬度は減少する傾向があるものの、有意差は認められなかった。この原因として治療後の病変縮小に伴い、エコーでの描出が難しくなるため、測定が不能あるいは不正確になる症例が増えることが推測された。 |
索引用語 | 自己免疫性膵炎, ARFI |