セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)膵臓(自己免疫性膵炎) |
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タイトル | 消P-195:当院における自己免疫性膵炎症例の検討 |
演者 | 和田 将弥(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科) |
共同演者 | 岡田 明彦(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 小川 智(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 高島 健司(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 松本 知訓(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 増尾 謙志(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 福島 政司(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 占野 尚人(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 井上 聡子(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 鄭 浩柄(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 藤田 幹夫(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 杉之下 与志樹(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科), 猪熊 哲朗(神戸市立医療センター中央市民病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】当院における自己免疫性膵炎(AIP)の臨床像、治療、経過を明らかにする。【方法】2000年から2011年までに当院にて経験し、自己免疫性膵炎臨床診断基準2011にて確診とされた15例を対象とした。男女比は10:5、初診時年齢中央値67歳(41-81歳)、観察期間中央値は50ヶ月(4-130ヶ月)である。初発症状、血液検査所見、画像所見、膵外病変、生検、治療法、経過について検討した。【成績】初発症状は黄疸6例、腹痛3例、上腹部不快感3例、食欲不振3例、体重減少2例、倦怠感1例、無症状2例、糖尿病の悪化1例、背部痛1例であった。血清IgG4は中央値が294mg/dLであった。膵腫大はびまん性10例、限局性5例であった。腹部USあるいはEUSにて13例に腫大部の低エコーを、7例に高エコースポットの散在を認めた。腹部CTにてcapsule-like rimは5例に、遷延性増強パターンは3例に認めた。ERPでは施行可能であった13例全てで主膵管の不整狭細像を認めた。ERCでは下部胆管狭窄を14例中12例に認めた。FDG-PETでは施行された9例全てで異常集積を認めた。SUV値は4.8(3.1-6.3)であった。膵外病変として硬化性唾液腺炎を4例、リンパ節腫脹を3例、後腹膜線維症を1例に認めた。EUS-FNAを10例に、開腹下膵生検を1例に行い、lymphoplasmacytic sclerosing pancreatitisの確認あるいは悪性所見を否定した。治療として10例にステロイド治療が行われ、全例で効果を認めた。その中の3例はステロイド中止可能であった。また経過観察中に3例が膵炎の再燃を認め、2例はステロイド中止後、1例は投与中であった。無治療で経過観察した5例中2例において自然軽快を認めた。【結論】当院におけるAIPの臨床像は過去の報告例と同様の特徴を呈していた。ステロイド治療が奏功するが長期経過観察例では再燃することも多く、ステロイドの中止基準、維持量など治療法について今後更に症例を積み重ね検討する必要がある。 |
索引用語 | 自己免疫性膵炎, AIP |