セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(腫瘍)1

タイトル 消P-198:

膵癌に対する陽子線治療効果判定におけるFDG-PETの有用性

演者 白川 幸代(神戸大大学院・肝胆膵外科学)
共同演者 松本 逸平(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 寺嶋 千貴(兵庫県立粒子線医療センター), 外山 博近(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 新関 亮(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 浅利 貞毅(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 後藤 直大(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 田中 正樹(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 山下 博成(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 木戸 正浩(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 味木 徹夫(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 福本 巧(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 村上 昌雄(兵庫県立粒子線医療センター), 具 英成(神戸大大学院・肝胆膵外科学)
抄録 【背景】近年癌診療においてFDG-PETは頻用され、膵癌においてもFDG-PETを用いた治療効果判定が試みられている。陽子線は優れた線量分布から副作用を軽減しつつ高線量をピンポイントで照射可能であり、我々は膵癌にも導入している。膵癌の陽子線治療後効果判定におけるFDG-PETの有用性を検討した。【対象】2006年から2010年に兵庫県立粒子線医療センターで陽子線治療を行った局所進行膵癌症例のうち、照射前後にFDG-PETを撮影した23例。照射線量は70.2/26、67.5/25、50/20、40/20 (GyE/Fr)がそれぞれ2、17、3、1例で、GEM併用照射は17例であった。【方法】主病変に対する局所制御効果および遠隔転移出現を、造影CTとFDG-PETで評価した。CT ではRECIST基準に準じて、FDG-PETではFDG集積の増減で評価した。腫瘍マーカーの変化とあわせ、照射後6ヶ月までと12ヶ月までの2期間で検討した。【結果】照射後6ヶ月までの局所制御の評価は、CTではSD 65% (15/23)、PR 35% (8/23)であったのに対し、FDG-PETではFDG集積は低下58% (11/19)、消失42% (8/19)と全例で治療効果を認め、FDGの集積低下6例および消失6例が、CTではSDと評価されていた。照射後12ヶ月までの局所制御の評価は、CTではSD 58% (8/14)、PR 42% (6/14)、FDG-PETではFDG集積増加22% (3/13)、不変0%、低下39% (5/13)、消失39% (5/13)であった。CTでSDと判断された7例では、FDGの集積増加2例、低下1例、消失4例であった。FDG-PETの経時的増悪所見により、4例を局所再発と診断したが、いずれもCT所見はSDであった。遠隔リンパ節、骨転移の検出能はFDG-PETがCTよりも優れていた。【結語】陽子線照射後の局所治療効果判定においてCT所見は変化に乏しく、FDG-PETはより鋭敏であった。遠隔転移についても全身検索としてFDG-PETは有用であった。今後は前向き試験による検討、至適検査スケジュールの設定等が課題である。
索引用語 膵癌, 粒子線