セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(腫瘍)1

タイトル 消P-199:

愛媛県内消化器内科における膵癌診療の実態

演者 黒田 太良(愛媛大附属病院・3内科)
共同演者 熊木 天児(愛媛大附属病院・3内科DELIMITER済生会今治病院・内科), 横田 智行(松山赤十字病院・肝胆膵センター), 清家 裕貴(市立宇和島病院・内科), 今井 祐輔(愛媛県立中央病院・消化器内科), 達川 はるか(愛媛県立中央病院・消化器内科), 宇都宮 大貴(愛媛県立中央病院・消化器内科), 西山 麻理(松山市民病院・消化器科), 稲田 暢(済生会松山病院・内科), 芝田 直純(愛媛県立新居浜病院・消化器内科), 今峰 聡(市立大洲病院・内科), 岡田 眞一(済生会西条病院・内科), 小泉 光仁(愛媛大附属病院・3内科), 畔元 信明(愛媛大附属病院・3内科), 山西 浩文(愛媛大附属病院・3内科), 恩地 森一(愛媛大附属病院・3内科)
抄録 【背景】膵癌に対するゲムシタビンの臨床適応により2004年までの全国調査でその予後が改善している事が示されたが、2005年以降の本邦における膵癌診療の変化は明らかではない。
【目的】過去10年間の愛媛県における膵癌診療の実態を明らかにする。
【方法】対象は2001~2010年までに愛媛県内主要10施設消化器内科で膵癌と診断された1217例のうち、データ不十分症例を除く1082例(89%)。性別、年齢、診断日、原発部位、病期、治療法、転帰についてデータ収集した。患者背景、症例数・病期・治療法の年次別推移、生存期間について解析した。さらに、対象症例を前期(2001~2005年、n=406)と後期(2006~2010年、n=676)に分け、治療法と生存期間について比較検討した。
【結果】愛媛県内消化器内科で診断された膵癌症例は、全国と同様にIII期以上の進行症例が多く(94%)、生存率も同程度(5年生存率7%)である一方、比較的高齢であった(平均年齢:男69歳、女74歳)。前期と比較し、後期ではBSC症例が減少し、化学療法症例が増加しており、有意に生存期間が改善していた(P<0.01)。手術施行症例、化学療法施行(手術なし)症例の生存期間は、統計学的に有意差はなかったものの、後期の方がその生存中央期間は改善している傾向がみられた。
【結論】2001年以降の愛媛県における膵癌診療の実態が明らかになった。2006年以降の生存率向上の一因として、化学療法を選択する症例の増加が考えられた。しかし、依然として進行癌で診断される症例が大半で、早期診断・治療に向けての対策が重要である。
索引用語 膵癌, 疫学