セッション情報 |
シンポジウム6(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器がん検診学会合同)
画像強調内視鏡の現状と今後の展開-咽頭から十二指腸まで
|
タイトル |
内S6-11:半導体レーザー光源を用いた新規内視鏡システムの早期胃癌診断における可能性―VS classification system によるNBI拡大観察との比較―
|
演者 |
八木 信明(京都府立医大・消化器内科DELIMITER京都府立医大・消化器先進医療開発) |
共同演者 |
土肥 統(京都府立与謝の海病院・消化器科), 内藤 裕二(京都府立医大・消化器内科) |
抄録 |
【目的】2011年、富士フィルム社により開発された新しい内視鏡システムは、異なる2種類の波長の半導体レーザーを光源として内蔵し、NBIのように特殊なフィルターを用いること無く狭帯域光観察を可能とした。拡大機能を有する内視鏡スコープを用いることが可能であるため、拾い上げ診断から拡大観察による血管や表面構造のさらなる描出の可能性が期待される。このレーザー内視鏡システムの早期胃癌診断における有用性をNBI観察と比較検討する。【方法】2011年9月より2012年3月までの早期胃癌ESD症例でNBI拡大とレーザー狭帯域光拡大観察を施行した連続48症例(男性35人、女性13人、平均年齢74歳)50病変(隆起型25病変、陥凹型25病変)を解析対象とした。ESD前にNBI、ESD当日にレーザー画像(仮称BLI:Blue LASER Imaging)で拡大観察し、VS classification systemで内視鏡的診断能を評価した。【成績】NBIとレーザー内視鏡におけるDemarcation lineの診断は(Absence:Presence)がNBI(4:46)、BLI(2:48)、MSパターンは(Absent:Irregular:Regular)がNBI(8:17:25)、BLI(2:25:23)、MVパターンはNBI(1:46:3)、BLI(1:47:2)であった。BLIでは優位にMSパターンのAbsentがIrregularと判断されていた(p<0.05)。Demarcationあり、Irregular MSもしくはIrregular MVを癌とするとNBI、BLIの正診率はそれぞれ90%、92%であり、有意差はなかった。また両者の内視鏡像は表層の微細模様や微小血管の描出のされ方、WOSやLBCの認識のされ方に違いがあった。【結論】早期胃がん症例においてレーザー狭帯域光拡大観察はNBIとほぼ同等の表層血管・粘膜模様の描出能を有するが、NBIと比較して粘膜微細構造の検出能が高いこと、微小血管やWOS、LBCの描出パターンが違うなど相違点も存在し、今後のさらなる症例の集積による診断基準の確立が大いに期待される。 |
索引用語 |
レーザー狭帯域光観察, 早期胃がん |