セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(腫瘍)1

タイトル 消P-201:

根治手術を成し得た残膵再発浸潤性膵管癌の検討

演者 山田 裕人(北海道消化器科病院・内科)
共同演者 藤澤 良樹(北海道消化器科病院・内科), 町田 卓郎(北海道消化器科病院・内科), 加藤 貴司(北海道消化器科病院・内科), 碇 修二(北海道消化器科病院・内科), 佐々木 清貴(北海道消化器科病院・内科), 加賀谷 英俊(北海道消化器科病院・内科), 中村 英明(北海道消化器科病院・内科), 目黒 高志(北海道消化器科病院・内科), 堀田 彰一(北海道消化器科病院・内科), 阿部 紘丈(北海道消化器科病院・外科), 中山 智英(北海道消化器科病院・外科), 福島 正之(北海道消化器科病院・外科), 市村 龍之介(北海道消化器科病院・外科), 岡村 圭祐(北海道消化器科病院・外科), 藤田 美芳(北海道消化器科病院・外科), 森田 高行(北海道消化器科病院・外科), 高橋 利幸(北海道消化器科病院・病理部)
抄録 膵癌の約90%を占める浸潤性膵管癌の治療成績は決して良好とはいえず、日本膵臓学会膵癌登録(2007年)によると、その5年生存率はわずか11.6%、切除例でも14.5%と未だに予後不良である。再発部位も膵周囲組織、肝転移が多く、残膵再発症例は稀である。988年11月~2011年12月までに当施設で施行された浸潤性膵管癌根治手術症例166症例を検討してみても、残膵再発症例は4例(2.4%)と非常に稀であった。うち2症例は膵頭十二指腸切除後の残膵に、28ヶ月後、11ヶ月後に発見され、残りの2症例は膵体尾部切除後の膵頭部に32ヶ月、35ヶ月に発見され、全例に対し残膵切除を施行した。4症例とも初回手術の切除断端は陰性であり、異時性膵重複癌と考えられる。悪性腫瘍の診断・治療技術の向上とともに、癌患者全体の生存率の向上により、異時性重複癌症例の報告が目立つようになった。その中でも膵癌は予後が悪いため異時性に再発する頻度は極めて稀といえる。初回手術後の経過観察をしていく過程で、遠隔転移を伴わない局所のみの残膵再発の場合、外科的治療も充分可能であり、生存期間の延長が望めると思われる。初回手術症例の経過観察において遠隔転移のみならず、残膵再発にも注意をし、再発時に早期に対応することが望ましいと思われる。
索引用語 残膵, 異時性重複癌