セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)膵臓(腫瘍)2 |
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タイトル | 消P-204:切除不能・再発膵癌に対しKIF20A+VEGFR1エピトープペプチドと塩酸ゲムシタビンを用いた抗癌剤併用ペプチドワクチン療法の試み |
演者 | 加藤 順子(順天堂大・消化器内科) |
共同演者 | 永原 章仁(順天堂大・消化器内科), 小西 正恵(順天堂大・消化器内科), 小谷 知弘(順天堂大・消化器内科), 東原 良恵(順天堂大・消化器内科), 松村 祐志(順天堂大・消化器内科), 長田 太郎(順天堂大・消化器内科), 崔 仁煥(順天堂大・消化器内科), 渡辺 純夫(順天堂大・消化器内科), 吉田 浩二(東京大医科学研究所・ヒトゲノム解析センター), 角田 卓也(東京大医科学研究所・ヒトゲノム解析センター), 中村 祐輔(東京大医科学研究所・ヒトゲノム解析センター) |
抄録 | 【目的】がんペプチドワクチン療法は、がん抗原に特異的な細胞障害性T細胞を誘導し抗腫瘍効果を示すものであり、がんに対する新たな治療法として注目されている。以前我々は化学療法が無効な進行・再発膵癌患者に対して、HLA-A*2402拘束性エピトープペプチドであるKIF20A、VEGFR1を用いたペプチドワクチン単独療法の第I相臨床試験を行ない、その安全性を証明しかつ延命効果も期待できる結果を報告した。今回、切除不能・再発膵癌の標準治療であるgemcitabine(GEM)にKIF20AおよびVEGFR1エピトープペプチドを併用しその有効性を検証した。【方法】平成23年5月から平成23年11月までに治療を開始した治療歴のない切除不能・再発膵癌症例に対しHLAを測定し、HLA-A*2402陽性症例に対しGEMにペプチドワクチンを併用した。投与スケジュールは、ペプチドワクチンは1週間に1回、計4回の皮下投与、GEMは1週間に1回、3回投与後1週間休薬を1コースとした。治療効果判定は2コース毎に行い、臨床的にProgressive disease(PD)と判断されるまで、可能限り治療を継続した。【成績】登録症例は6例(男性4例、女性2例)であった。1例は原病の進行のため2コース完遂できなかった。治療効果判定は、2コース後PR1例、SD2例、PD2例であったが、4コース後PRは3例となった。現在6コース後、8コース後までPRを維持している症例が2例あり、治療を継続している。【結論】ペプチドワクチンは抗癌剤と比べ効果が発現するまでに一定の期間が必要と言われている。当試験において2コース後でSDであった2症例は4コース後にPRが得られており、ペプチドワクチンの遅発性効果によるものと考えられた。現在2症例において6コース後以降もPRが維持されており、ペプチドワクチンのGEMへの上乗せ効果が期待された。 |
索引用語 | 膵癌, がんペプチドワクチン |