セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(腫瘍)2

タイトル 消P-207:

急性膵炎で発症した膵癌の臨床像の検討

演者 港 洋平(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科)
共同演者 神澤 輝実(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 千葉 和朗(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 田畑 拓久(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 来間 佐和子(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 原 精一(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 桑田 剛(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 藤原 崇(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 江頭 秀人(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 小泉 浩一(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 藤原 純子(がん・感染症センター都立駒込病院・内視鏡科), 荒川 丈夫(がん・感染症センター都立駒込病院・内視鏡科), 門馬 久美子(がん・感染症センター都立駒込病院・内視鏡科), 倉田 昌直(がん・感染症センター都立駒込病院・外科), 本田 五郎(がん・感染症センター都立駒込病院・外科)
抄録 【目的】膵癌の多くは膵管狭窄・閉塞をきたすが、急性膵炎を発症することは少ない。今回、我々は急性膵炎で発症した膵癌の臨床像を検討した。【対象】1975年から2011年までの37年間で当院に入院し画像、病理組織、臨床症状などにより膵癌と診断した1504例を対象とした。【結果】1. 急性膵炎で発症した膵癌は18例で全体の1.2%であった。平均年齢は63.7歳(46-86歳)で、男性14例女性4例であった。2. 膵炎の重症度は軽症17例、重症1例で、初発の膵炎が11例で再発性膵炎が7例であった。膵仮性嚢胞の合併を5例で認めた。アルコール多飲歴は5例で認め、4例は摂取なしであった。膵炎発症時に6例は膵癌と診断されたが、残りの12例は初回膵炎発症から膵癌の診断までに2ヶ月から16年を要した。3. 膵癌は膵頭部癌が12例と体尾部癌が6例で、進行度はStage II2例、StageIII1例、Stage IV15例で、切除例は5例であった。4. 膵炎発症例と膵炎非合併例で、平均年齢 (63.7歳 vs. 66.3歳)、癌の占拠部位(頭部/体尾部:12/6 vs. 894/571)で差を認めなかったが、膵炎発症例で男性に多い傾向を認めた(男性/女性:14/4 vs. 794/692、p=0.054)。【まとめ】膵癌1504例中18例(1.2%)が急性膵炎で発症した。軽症膵炎が17例で、7例が再発性膵炎であった。急性膵炎症例では、膵臓癌も念頭に置いて、成因検索を行う必要がある。
索引用語 急性膵炎, 膵癌