セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(IPMN)

タイトル 消P-210:

分枝型IPMN経過観察例の検討

演者 安藤 暢洋(岐阜県総合医療センター・消化器内科)
共同演者 馬淵 正敏(岐阜県総合医療センター・消化器内科), 大島 靖広(岐阜県総合医療センター・消化器内科), 岩田 圭介(岐阜県総合医療センター・消化器内科), 杉原 潤一(岐阜県総合医療センター・消化器内科), 中島 賢憲(岐阜市民病院・消化器内科), 向井 強(岐阜市民病院・消化器内科), 冨田 栄一(岐阜市民病院・消化器内科), 上村 真也(岐阜大・1内科), 山内 貴裕(岐阜大・1内科), 土井 晋平(岐阜大・1内科), 安田 一朗(岐阜大・1内科), 森脇 久隆(岐阜大・1内科)
抄録 IPMNは通常型膵管癌と違い進展様式が比較的緩徐で予後良好な膵腫瘍であり、中でも分枝型IPMNについては経過観察されることが多い。一方で、通常型膵管癌や異時性他臓器癌の合併が経過中にみられるとの報告もある。【目的】当施設における分枝型IPMN経過観察例について調査する。【対象】2006年9月~2010年12月までに当センター/岐阜市民病院/岐阜大学の3施設でEUSにてIPMNと診断され1年以上経過観察された178例のうち、嚢胞径が10mm以上で膵管との交通があるか粘液の存在が確認された症例を対象とした。【結果】該当症例は50例。男性28例/女性22例。年齢38~83歳(中央値71歳)。主病変の部位は頭部19例/体部19例/尾部6例/鉤部6例。嚢胞径10~80mm(19.8mm)/主膵管径1.1~9.0mm(2.2mm)/壁在結節有14例/無36例/結節高1~10mm(4.5mm)。経過観察期間12~61月(平均29.9ヶ月)。検査間隔は全例3~6ヶ月毎に行われており、検査法は腹部US13例/MRCP22例/CT11例/EUS4例。初回に壁在結節無36例のうち経過観察中に画像上変化がみられたのは6例(16.7%)で嚢胞径1cm以上増大か主膵管径2mm以上拡張が2例(5.6%)、壁在結節出現が1例(2.8%)。前2例は経過観察継続中で後1例は手術の結果IPMA。初回壁在結節有14例では、画像上変化がみられたのは3例(21.4%)で嚢胞径増大2例/主膵管径増大1例。各1例で手術施行しIPMAと非浸潤型IPMC。嚢胞径別では、初回嚢胞径3cm未満39例で、画像上変化は4例(10.3%)でみられ、嚢胞径3cm以上11例で画像上変化は2例(18.2%)。後出2例は手術の結果共にIPMA。経過中の通常型の発生はなく、他臓器癌は5例(大腸3例,胃1例,前立腺1例)に確認。【結語】経過観察中に画像上変化がみられたのは12%と比較的低率であったが、壁在結節のある場合や嚢胞径が3cmを超える場合は20%前後となるため、特に厳重な経過観察が必要と思われた。
索引用語 分枝型IPMN, 経過観察