セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(IPMN)

タイトル 消P-212:

IPMNの良悪性鑑別における後期相を加えたFDG-PETの有効性についての検討

演者 齊藤 将喜(千葉大・消化器内科)
共同演者 石原 武(千葉大・消化器内科), 西川 貴雄(千葉大・消化器内科), 黒澤 浄(千葉大・消化器内科), 杉山 晴俊(千葉大・消化器内科), 太和田 勝之(千葉大・消化器内科), 酒井 裕司(千葉大・消化器内科), 三方 林太郎(千葉大・消化器内科), 多田 素久(千葉大・消化器内科), 露口 利夫(千葉大・消化器内科), 横須賀 收(千葉大・消化器内科), 吉冨 秀幸(千葉大・臓器制御外科), 加藤 厚(千葉大・臓器制御外科), 大塚 将之(千葉大・臓器制御外科), 吉留 博之(千葉大・臓器制御外科), 清水 宏明(千葉大・臓器制御外科), 木村 文夫(千葉大・臓器制御外科), 宮崎 勝(千葉大・臓器制御外科), 内田 佳孝(翠明会山王病院・PET画像診断センター), 内山 勝弘(翠明会山王病院・PET画像診断センター)
抄録 【背景】腫瘍病変の良悪性鑑別にFDG-PETの有用性が報告されているが、IPMNにおける報告はまだ少ない。今回IPMNの良悪性鑑別における後期相を加えたFDG-PETの有用性について検討した。【方法と対象】2004年5月から2012年3月にかけて当院でIPMNにて外科切除された症例のうち、術前にFDG-PETを施行された45例を対象とした。全例切除後に病理組織学的に確定診断がつけられた。adenomaおよびborderlineを良性群、CISおよびinvasiveを悪性群と定義した。5時間絶食後にFDG(4MBq/kg)を投与し、60分後の早期相で腫瘍部のSUVmax値を計測した。また16例については120分後の後期相も撮影した。今回の検討項目は病理組織別でのSUV値の検討、良悪性鑑別に有効なSUVカットオフ値の検討、後期相でのSUV値測定の有効性の検討の3項目とした。【結果】病理組織別でのSUV値はadenomaおよびborderline(N=16)で1.6、CIS(N=16)で2.5、invasive(N=13)で4.9であった。SUV値は良性群(N=16)で1.6、悪性群(N=29)で3.6と有意に悪性群で高値であった(P<0.001)。早期相でのSUVカットオフ値を2.0に設定したところ、良悪性鑑別において感度86%、特異度81%、正診率84%であった。16例は後期相も撮影し(良性群5例、悪性群11例)、良性群では4例(80%)で後期相でのSUV値の低下を認め、また悪性群では全症例でSUV値の上昇を認めた。早期相でのSUVカットオフ値を2.0とし、これに後期相での増加率>0%を組み合わせると、1例の偽陽性例(adenoma:早期2.4、後期2.0)を良性群と診断でき特異度を81→88%、正診率を84→87%と改善することができた。【結語】IPMNの良悪性鑑別にFDG-PETは有用で、後期相を追加することで診断能が向上した。
索引用語 FDG-PET, IPMN