セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(腫瘍)3

タイトル 消P-220:

切除不能進行膵癌(局所進行又は転移性)に対する初回化学療法としてのTS-1隔日投与法多施設共同臨床第二相試験中間報告

演者 神戸 貴雅(山陰労災病院・消化器内科)
共同演者 白坂 哲彦(北里大北里生命科学研究所), 里井 壮平(関西医大・外科), 大内田 次郎(宮崎大附属病院・2外科), 上田 和樹(和歌山県立医大・2内科), 山口 武人(千葉県がんセンター・消化器内科), 角田 宏行(山陰労災病院・消化器内科), 向山 智之(山陰労災病院・消化器内科), 西向 栄治(山陰労災病院・消化器内科), 謝花 典子(山陰労災病院・消化器内科), 岸本 幸広(山陰労災病院・消化器内科), 古城 治彦(山陰労災病院・消化器内科), 山上 裕機(和歌山県立医大・2外科)
抄録 [目的]切除不能進行膵癌に対する化学療法の感受性は極めて乏しいが、第一選択薬であるゲムシタビンに対しTS-1の非劣性が報告(GEST試験)されるなど、TS-1は進行再発膵癌の標準療法の重要な選択肢となった。しかしながら、Grade(G)3以上の全副作用発現頻度は42.5%と高く、特にG1,G2の非血液毒性が強く発現するために,服薬コンプライアンスの低下を来すことが報告されてきた。これに対し副作用の軽減を図るため、正常細胞と癌細胞との細胞周期の差を利用しTS-1を隔日に投与する方法の有用性が進行再発胃癌などで報告されている。今回,切除不能膵癌(局所進行または転移性)に対する初回化学療法としてのS-1隔日投与法による有効性,安全性を検討するため多施設共同臨床第二相試験(和歌山膵癌治療研究会主催)に参加し、その中間解析を行った。[対象]2009年9月から2011年2月までに本臨床試験に参加した8施設を受診した切除不能膵癌患者48例。[方法]主要評価項目は全生存期間とし,副次的評価項目は治療成功期間,病勢コントロール率,副作用発現率,投与完遂性とした。[結果]消化器関連の副作用はG1 2例(4.2%),G2 3例(6.2%)でG3以上は認めなかった。血液毒性はG1 3例(6.2%),G2 8例(16.7%)で,G3は2例(4.2%)に認めた。全副作用はG1 4.2%,G2 27.1%であり,G3は4.2%に認めたがG4は認めなかった。[考察]切除不能進行膵癌におけるTS-1隔日療法は副作用を軽減させた。今後更なる追跡の上,全生存期間を明らかにし、近日中にS-1通常投与法である4週投与2週休薬vs隔日投与法の第二相臨床試験が行われる予定である。
索引用語 膵癌, TS-1