セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(腫瘍)3

タイトル 消P-221:

通常型膵癌おける性差による治療反応性の比較

演者 高森 啓史(熊本大大学院・消化器外科学)
共同演者 中原 修(熊本大大学院・消化器外科学), 生田 義明(熊本大大学院・消化器外科学), 黒木 秀幸(熊本大大学院・消化器外科学), 近本 亮(熊本大大学院・消化器外科学), 土居 浩一(熊本大大学院・消化器外科学), 石河 隆敏(熊本大大学院・消化器外科学), 別府 透(熊本大大学院・消化器外科学), 馬場 秀夫(熊本大大学院・消化器外科学)
抄録 【目的】幾つかの癌腫において罹患者数や死亡者数に性差を認める。膵癌全症例ではそれらに有意な性差を認めていない。今回、通常型膵癌切除例および化学療法例における治療反応性の性差を解析した。【方法】通常型膵管癌切除例は術後5年以上経過した144例を、化学療法例は5-FU動注+Gemcitabine全身投与を行った86例を対象とした。男女別の臨床病理学的特徴および予後を解析した。【成績】切除例では、男女比は77:67で1.1:1であった。年齢中央値は65歳(37-83歳)、男女別では男性65歳 (37-83歳)、女性65歳 (37-78歳)と男女間に有意差を認めなかった。手術の根治度は、男性はR0: 26例、R1: 26例、R2: 25例で、女性はR0: 30例、R1: 24例、R2: 13例で男女間に有意差を認めなかった。病期は、男性でstage1: 3例、stage2: 0例、stage3: 14例、stage4a: 39例、stage4b: 21例、女性で、stage1: 7例、stage2: 3例、stage3: 16例、stage4a: 25例、stage4b: 16例と、男性に進行例が多い傾向であった。全症例の5年生存率: actual 5-year survival rate (5生)は18.8%で、生存期間中央値(MST)は21.5ヵ月であった。5年生存例は27症例で、男性11例(14.3%)、女性16例(23.9%)と女性に多い傾向にあった。男性では5生14.3%、MST 17.7ヵ月、女性では5生23.9%、MST 25.0ヵ月と女性が予後良好な傾向であった。またstage別の検討でも男女間に有意差を認めなかった。化学療法例では、男女比は58:28で2.1:1であった。全症例の1年生存率(1生)は48.8%で、生存期間中央値(MST)は11.6ヵ月であった。男性では1生50.0%、MST11.7ヵ月、女性では1生46.4%、MST 10.1ヵ月と有意差を認めなかった。【結論】通常型膵癌では、切除例・化学療法例ともに男女間に生存成績に有意差は認めず、手術および化学療法に対する性差による反応性の違いは認めなかった。
索引用語 膵癌, 性差