セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)膵臓(腫瘍)4 |
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タイトル | 消P-224:Stage 0-I膵癌切除例の臨床病理学的検討と早期発見率向上の可能性 |
演者 | 落合 秀人(磐田市立総合病院・消化器外科) |
共同演者 | 嘉山 貴文(磐田市立総合病院・消化器外科), 村上 智洋(磐田市立総合病院・消化器外科), 片橋 一人(磐田市立総合病院・消化器外科), 神藤 修(磐田市立総合病院・消化器外科), 宇野 彰晋(磐田市立総合病院・消化器外科), 深澤 貴子(磐田市立総合病院・消化器外科), 松本 圭五(磐田市立総合病院・消化器外科), 笹田 雄三(磐田市立総合病院・消化器内科), 斎田 康彦(磐田市立総合病院・消化器内科), 犬飼 政美(磐田市立総合病院・消化器内科), 鈴木 昌八(磐田市立総合病院・消化器外科) |
抄録 | <目的>当科で切除したStage 0-I膵癌を臨床病理学的に検討し、その早期発見率向上の可能性を考察する。<対象・方法>2005年5月から2012年3月までの期間に当科で膵切除術を施行した膵癌43例のうち、Stage0-Iの7例(Stage 0:5例、I:2例)について臨床病理学的に検討した。<結果>年齢は52-82歳(平均67.3歳)で、男女比は4:3。観察期間は6-33ヵ月(中央値23ヵ月)で、膵頭部癌4例、膵体尾部癌3例であった。併存症は糖尿病が4例と最も多かった。7例中6例が無症状で、検診もしくは他疾患の経過観察中に画像検査(膵管拡張のみ2例、腫瘤像+膵管拡張4例)で発見された。切除術式は膵頭十二指腸切除術4例、膵体尾部切除術3例。組織型はIPMCが4例、通常型膵管癌(管状腺癌)2例、PanIN-3が1例であった。Stage Iの2例は浸潤性膵管癌であり、1例は最大径が7mmで、周囲の分枝膵管内にPanIN1-2の病変を伴っていた。もう1例は最大径18mmで、脈管および神経浸潤が高度であり、術後13ヶ月で局所および腹膜播種再発し、27ヵ月で癌死した。Stage II以上の36例との差が認められたのは有症状率、全生存率および無再発生存率であったが、IPMC4例を除いた通常型膵管癌3例の検討では有意差は認められなかった。<考察>Stage 0-I膵癌はStage II以上に比べ、有意に予後が良いことが示された。ただし、通常型膵管癌は症例数が少なく、さらなる症例の蓄積が必要である。また無症状の症例が多く、今回の検討では、DM合併の4例は全て開業医でのDM follow中の腹部USにより、発見されていることが特徴であった。<結語>Stage0-I膵癌は比較的予後がよいが、発見率向上には無症状での画像評価が必須である。特にDM症例における、follow中の腹部USによる定期スクリーニングの重要性を、診療担当医に啓蒙することが必要であると考えられた。 |
索引用語 | 早期膵癌, 発見率 |