セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(腫瘍)4

タイトル 消P-225:

当院における局所進行膵癌に対する治療成績

演者 松永 和大(金沢医大・消化器内科)
共同演者 白枝 久和(金沢医大・消化器内科), 利國 信行(金沢医大・消化器内科), 中村 正克(金沢医大・消化器内科), 尾崎 一晶(金沢医大・消化器内科), 白枝 昌子(金沢医大・消化器内科), 福村 敦(金沢医大・消化器内科), 大塚 俊美(金沢医大・消化器内科), 林 伸彦(金沢医大・消化器内科), 福山 智基(金沢医大・消化器内科), 齊藤 隆(金沢医大・消化器内科), 林 蘭仁(金沢医大・消化器内科), 野村 友映(金沢医大・消化器内科), 山田 英登(金沢医大・消化器内科), 松江 泰弘(金沢医大・消化器内科), 湊 貴浩(金沢医大・消化器内科), 土島 睦(金沢医大・消化器内科), 堤 幹宏(金沢医大・消化器内科), 有沢 富康(金沢医大・消化器内科)
抄録 【背景】局所進行膵癌に対しては、従来は5-Fluorouracil(5-FU)による化学放射線療法が標準治療とされてきたが、gemcitabin(GEM)の登場により化学療法単独治療も標準治療の1つとなった。一方でGEMは放射線増感作用を有し、さらに膵癌の標準治療薬となったGEMを用いた放射線化学療法の優位性については未だ明確なエビデンスはないものの、その有効性を示唆する報告が散見される。しかしながら実臨床では簡便で副作用の少ない化学療法単独治療が選択されることが多い。【目的】当科では局所進行膵癌に対し、積極的にGEM同時併用放射線化学療法を施行してきており、その治療成績について報告する。【方法】2005年1月から2012年3月までに当科にて局所進行膵癌と診断されGEM併用放射線化学療法が施行された9例を対象とし、その有効性について後ろ向きに検討した。治療内容としては、放射線療法は2Gy×25fr = 50Gyの体外照射を施行し、放射線療法中の化学療法はGEM 250-300mg/m2/week、放射線療法終了後は1000mg/m2/week、3週投与・1週休薬とし、腫瘍増大もしくは重篤な有害事象の出現まで継続された。【成績】対象群の年齢は68.1±8.8歳、男女比は3:6、PS0/1が2/7例、腫瘍径は34±13.5mm、部位は全例が頭部、所属リンパ節転移はN0/1が8/1例であった。放射線化学療法の完遂率は100%であった。主な有害事象は白血球数減少と食思不振であり、治療による死亡は認めなかった。生存期間中央値は20.5ヶ月、1年生存率は55.6%、2年生存率は28.6%であった。【結論】2011年に発表されたGEST試験によると、局所進行膵癌のGEM単独化学療法におけるMSTは12.7カ月であり、当科でのGEM同時併用放射線化学療法の成績は比較的良好なものであった。GEM同時併用放射線化学療法は局所進行膵癌に対する有用な治療選択肢の1つである、と考えられた。
索引用語 膵癌, 放射線化学療法