セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)膵臓(腫瘍)4 |
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タイトル | 消P-226:切除不能局所進行膵癌に対する化学放射線療法の有効性の検討 |
演者 | 松田 耕一郎(富山県立中央病院・内科) |
共同演者 | 木田 明彦(富山県立中央病院・内科), 平井 聡(富山県立中央病院・内科), 島谷 明義(富山県立中央病院・内科), 堀田 洋介(富山県立中央病院・内科), 平松 活志(富山県立中央病院・内科), 松田 充(富山県立中央病院・内科), 荻野 英朗(富山県立中央病院・内科), 野田 八嗣(富山県立中央病院・内科) |
抄録 | 【目的】切除不能進行膵癌に対する化学放射線療法(CRT)について有効性、生存率、合併症、有害事象について検討し、さらに長期生存に寄与する因子につき検討した。【対象】2003年9月~2012年3月までCRTが施行された切除不能局所進行膵癌Stage IVa 65例を対象とした。検討因子は年齢、性別、Performance status (PS)、BMI、糖尿病の有無、腫瘍径、局在、腫瘍マーカー、治療完遂の有無とした。化学放射線療法はday 1、8、15、22、29、36にgemcitabine(GEM)250 mg/sqmを投与し、この間1.8 Gy×30回、計54 Gyの放射線照射を施行した。放射線治療終了後は、2~4週間してからGEM 1000mg/sqmを原則3投1休で投与し、経過中に症例の状態により、薬剤の減量・投与間隔を適宜変更して投与した。黄疸や胆管炎出現例は全例胆管ステントで対応した。【結果】CRTは、65例中62例(95.4%)で完遂可能であり、CR 1例、PR 11例、SD 34例、PD 19例で奏効率は18.5%であった。平均生存期間(MST)は362日で2年生存率は44.6%(29/65)、3年生存率は12.3%(8/65)であった。CRTを完遂できなかったのは3例であり、嘔吐や白血球低下による中止が2例、経乳頭的胆管ステント留置後8週目で放射線照射開始からは4日目と放射線照射の影響にしては早すぎる段階での原因不明の消化管穿孔を認めた1例であった。長期生存に寄与する因子の検討では単変量解析、多変量解析ともに有意なものは認めなかった。【結語】切除不能進行膵癌に対するCRTは完遂率も高く、有害事象も他の療法と比べて遜色なく長期生存が得られている。切除不能局所進行膵癌においては試みる価値のある治療法と思われた。 |
索引用語 | 化学放射線療法, 膵癌 |