セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(腫瘍)4

タイトル 消P-228:

切除不能進行膵癌に対する成分栄養療法の臨床的意義

演者 中村 陽介(名古屋大附属病院・光学医療診療部)
共同演者 廣岡 芳樹(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 伊藤 彰浩(名古屋大大学院・消化器内科学), 川嶋 啓揮(名古屋大大学院・消化器内科学), 大野 栄三郎(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 伊藤 裕也(名古屋大大学院・消化器内科学), 平松 武(名古屋大大学院・消化器内科学), 杉本 啓之(名古屋大大学院・消化器内科学), 鷲見 肇(名古屋大大学院・消化器内科学), 舩坂 好平(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 中村 正直(名古屋大大学院・消化器内科学), 宮原 良二(名古屋大大学院・消化器内科学), 大宮 直木(名古屋大大学院・消化器内科学), 後藤 秀実(名古屋大附属病院・光学医療診療部DELIMITER名古屋大大学院・消化器内科学)
抄録 【目的】切除不能進行膵癌(PC)の予後に関わる因子として、膵内外分泌機能低下や悪液質に伴う低栄養に着目し、予後改善をめざした成分栄養(ED)療法の臨床的意義につき評価した。【方法】2009年4月から2012年1月に当院受診のPC連続51例。全例でED療法としてエレンタール®2包/日を開始し、12週以上内服しえた19例をED群、それ以外の32例を非ED群と定義し、以下につきretrospectiveに検討した。1)両群の背景(男女比、年齢、病期、BMI、%UBW{初診時体重/健常時体重x100}、総蛋白、アルブミン、トランスサイレチン、総コレステロール、HbA1c、亜鉛、CRP、CA19-9)を比較した。2)EDの糖代謝への影響を評価するため、投与前後のHbA1c、空腹時血糖値(FBS)を比較し、また両群のインスリン導入率を検討した。3)両群の体重変化率{(12週後値-初診時値)/初診時値x100}を算出し、EDの体重安定化に対する有用性を検討した。4)両群の生存期間をKaplan-Meier log rank testで検討した。【成績】1)両群の背景に有意差を認めなかった。2)ED群の12週後HbA1c、FBSは投与前値と有意差なく、またインスリン導入率はED群:15.8%(3/19)、非ED群:9.4%(3/32)で両群に差は認めなかった。3) 12週後体重変化率はED群:0.3±9.2%に対し、非ED群:-6.2±7.7%で、EDは体重安定化に有用であった(P=0.018)。4)生存期間中央値はED群:439日(95%CI:386-492)に対し、非ED群:240日(95%CI:192-289)でED群では生存期間が延長した(P<0.001)。【結論】ED療法はPCの体重安定化に有用で予後改善に寄与した。
索引用語 切除不能進行膵癌, 栄養療法