セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(腫瘍)4

タイトル 消P-229:

上腹部悪性腫瘍の癌性疼痛に対するEUSガイド下腹腔神経叢融解術(EUS-CPN)および腹腔神経節融解術(EUS-CGN)の有用性

演者 久居 弘幸(伊達赤十字病院・消化器科)
共同演者 小野 道洋(伊達赤十字病院・消化器科), 山田 尚太(伊達赤十字病院・消化器科), 小柴 裕(伊達赤十字病院・消化器科), 和田 浩典(伊達赤十字病院・消化器科), 宮崎 悦(伊達赤十字病院・消化器科), 岡川 泰(札幌医大・4内科), 嘉成 悠介(札幌医大・4内科)
抄録 【目的】上腹部悪性腫瘍の癌性疼痛治療におけるEUSガイド下腹腔神経叢融解術 (EUS-CPN)および腹腔神経節融解術(EUS-CGN)は、至近距離でかつリアルタイムに穿刺できるため、より安全性が高く、欧米ではある程度認知された手技とされているが、未だ本邦では認知度が低いのが現状である。今回EUS-CPN/CGNの有用性と安全性について検討した。
【方法】対象は2006年11月~2012年3月にEUS-CPNを施行した36例(年齢45~89歳、平均71歳、男性13例)、のべ51回。原疾患は膵癌23例(切除不能16/再発7)、転移性肝腫瘍4例、胆嚢癌3例(切除不能2/再発1)、胆管癌(再発)3例、肝内胆管癌、十二指腸乳頭部癌(再発)、胃癌が各々1例。オピオイド(OP)の 副作用や効果不良による疼痛緩和困難例のみならずOP導入前も適応とし、化学療法は28例(78%)に行った。方法はEUS下に腹腔動脈幹直上(または右側)もしくは腹腔神経節を描出し、ドプラーモードにて穿刺ラインに血管がないことを確認し、22G針で穿刺した。0.25%ブビバカイン数ml注入後、イオへキソール混和90%エタノールを計5~20mlを注入した。治療直後の単純CTで注入液の分布を確認した。効果は1週間以降のnumerical rating scale(NRS)で評価した。検討項目は、1)治療成績、2)偶発症とした。
【成績】1) 4例はCTで薬液分布不良と考えられ、追加で施行した。1週間以降のnumerical rating scale(NRS)が4以下になった有効例は28例(78%)で、OP増量や導入をしなかった有効期間は1~44週(中央値6週)であり、後に無効となった7例に1~4か月後に再施行し効果を認めた。2)偶発症は一過性の疼痛増強12回(23%)、下痢6回(12%)、発熱4回(8%)、酩酊3回(6%)、嘔気2回(4%)、血圧低下1回(2%)であったが、保存的に対処可能であった。
【結論】EUS-CPN/CGNは上腹部悪性腫瘍の癌性疼痛に対して、有用で安全な手技である。
索引用語 EUS-CPN, 癌性疼痛