セッション情報 |
シンポジウム6(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器がん検診学会合同)
画像強調内視鏡の現状と今後の展開-咽頭から十二指腸まで
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タイトル |
内S6-14:十二指腸上皮性腫瘍に対する拡大観察は質的診断に有用か? -NBIと色素拡大観察の比較検討から-
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演者 |
佐野村 洋次(広島大・内視鏡診療科) |
共同演者 |
岡 志郎(広島大・内視鏡診療科), 茶山 一彰(広島大・消化器・代謝内科) |
抄録 |
【背景】 食道・胃・大腸においては、IEEによる内視鏡診断の有用性が報告され、臨床応用されているが、十二指腸における有用性はまだ明らかになっていない。【目的】 十二指腸上皮性腫瘍 (乳頭部腫瘍を除く) に対するNBIおよびクリスタルバイオレット (CV) 拡大観察の質的診断能について比較検討する。【対象と方法】 当科にて2012年1月までにNBI拡大観察後に引き続いてCV拡大観察を行い、内視鏡的切除後に病理組織診断との対比が可能であった十二指腸上皮性腫瘍65例 (平均腫瘍径 11.5±6.6 mm、肉眼型 0-I型 12例、0-IIa型42例、0-IIa+IIc型6例、0-IIc型5例、組織型 low grade adenoma (LGA) 43例、high grade adenoma (HGA) 13例、粘膜内癌 (M-Ca) 9例) を対象とし、NBI拡大観察によるsurface pattern (regular/ irregular) とvascular pattern (regular/ irregular)、CV拡大観察によるpit pattern (regular/ irregular) を判定し、病理組織所見と対比した。【結果】 surface patternがirregular例は、HGA/M-Ca 59% (13/22)、LGA 16% (7/43)、vascular patternがirregular例は、HGA/M-Ca 55% (12/22)、LGA 12% (5/43)、pit patternがirregular例は、HGA/M-Ca 59% (13/22)、LGA 14% (6/43) であり、いずれもirregular例ではHGA/M-Caの割合が有意に高かった。また、surface patternがirregular例のHGA/M-Caに対する正診率75%、感度59%、特異度84%、vascular patternがirregular例の正診率77%、感度55%、特異度88%、pit patternがirregular例の正診率77%、感度59%、特異度86 %であり、NBI拡大とpit pattern診断能は同等であった。【結語】 十二指腸上皮性腫瘍に対するNBIおよびCV拡大観察はHGA/M-Caの診断に有用であった。(共同研究者:田中信治、東山 真) |
索引用語 |
十二指腸腫瘍, IEE |