セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(腫瘍)5

タイトル 消P-230:

早期膵癌32例の臨床的検討

演者 三方 林太郎(千葉大大学院・腫瘍内科学)
共同演者 石原 武(千葉大大学院・腫瘍内科学), 多田 素久(千葉大大学院・腫瘍内科学), 太和田 勝之(千葉大大学院・腫瘍内科学), 黒澤 浄(千葉大大学院・腫瘍内科学), 齊藤 将喜(千葉大大学院・腫瘍内科学), 西川 貴雄(千葉大大学院・腫瘍内科学), 杉山 春俊(千葉大大学院・腫瘍内科学), 酒井 祐司(千葉大大学院・腫瘍内科学), 露口 利夫(千葉大大学院・腫瘍内科学), 加藤 厚(千葉大大学院・臓器制御外科学), 吉富 秀幸(千葉大大学院・臓器制御外科学), 吉留 博之(千葉大大学院・臓器制御外科学), 清水 宏明(千葉大大学院・臓器制御外科学), 大塚 将之(千葉大大学院・臓器制御外科学), 木村 文夫(千葉大大学院・臓器制御外科学), 宮崎 勝(千葉大大学院・臓器制御外科学), 横須賀 收(千葉大大学院・腫瘍内科学)
抄録 【目的】当科で経験した上皮内癌およびpTS1膵癌の診断経緯を明らかにし、早期診断方法について検討する。【対象】1994年から2010年までに当科で経験した上皮内癌2例とpTS1症例30例の計32例(平均年齢66歳、男性18例、女性14例)について、上皮内癌(2例)とstage1(5例)の計7例(A群)とstage2以上25例(B群)に分け、診断契機、各種画像診断、ERCP下細胞診の結果について検討した。【結果】stage分類は0(2例)、1(5例)、2(4例)、3(9例)、4a(8例)、4b(4例)であった。診断契機は有症状例がA群5例(71%)で、腹背部痛4例、体重減少2例、急性膵炎1例であった。無症状例では検診での異常指摘が2例であった。B群では有症状例14例(56%)で、黄疸7例、腹背部痛7例等であった。DM新規発症および増悪が診断契機となったのは、B群8例(32%)、A群では認めず、DM合併もA群1例(14%)、B群15例(60%)であった。A群において診断契機となった画像所見は膵管拡張4例、膵管拡張+膵嚢胞1例、膵管拡張+膵腫瘤1例、膵腫瘤1例であり、主膵管拡張はUS:71%(5/7)、CT:71%(5/7)、EUS:86%(6/7)に認めた。腫瘍描出能はstage1症例でUS:60%(3/5)、CT:25%(1/5)、EUS:60%(3/5)で、B群で69%(11/16)、80%(20/25)、 92%(23/25)であった。ERCP下膵液細胞診(ブラシ細胞診も含む)は単回の細胞診では両群あわせ43%(6/14)で陽性と診断され、ENPDチューブ留置下に複数回膵液を採取した7症例(上皮内癌2例を含む)では全例で陽性と診断された。【結語】より早期である上皮内癌とstage1膵癌は、黄疸やDMが契機となり診断される例はなく、主膵管拡張を契機に診断される例が多かった。画像診断でも腫瘤を認めず膵管拡張のみの症例もあり、ENPD留置法を含めたERCP下細胞診が早期診断に有用であった。
索引用語 早期膵癌, 膵液細胞診