セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(腫瘍)5

タイトル 消P-231:

切除不能局所進行膵癌に対するゲムシタビン放射線併用療法:佐賀県多施設共同研究

演者 大塚 大河(佐賀県立病院好生館・肝胆膵内科)
共同演者 有尾 啓介(国立嬉野医療センター・消化器内科), 野田 隆博(唐津赤十字病院・内科), 川添 聖治(佐賀県立病院好生館・肝胆膵内科)
抄録 【目的】切除不能局所進行膵癌(LAPC)に対する治療の選択肢のひとつに化学放射線療法が挙げられるが標準的治療法と言えるものは定まっていない.膵癌に対する標準治療薬はゲムシタビン(GEM)であるが,LAPCに対する放射線治療(RT)との併用療法(GEM-RT)について現状を把握すべく,その治療法や成績について検討を行った.【方法】膵癌に対し内科的治療を実施している佐賀県内の3施設で,2006年1月から2011年12月までに治療が開始されたLAPC症例について解析した.【成績】27例にGEM-RTが実施された.年齢中央値は73歳,ECOG performance status 0が18例であった.放射線照射時のGEM併用投与法としてE4201試験(J Clin Oncol 2011)に準じたもの(GEM 600mg/m2 + RT)が19例,本邦での第I/II相試験(Br J Cancer 2002/2004)に準じたもの(GEM 250mg/m2 + RT)が3例,通常投与量によるもの(GEM 1000mg/m2 + RT)が3例あった.放射線総照射量は50~50.4Gyであった.維持療法はGEM単独治療が行われた.25例に何らかの有害事象が認められ,主なものは血液毒性であった.Grade 3あるいは4の有害事象は19例に認められたが,有害事象により治療継続困難であったのは3例であった.RECIST version 1.1による奏効割合は40.7%,病勢制御割合は81.5%,無増悪期間中央値は9.0ヶ月,生存期間中央値は14.0ヶ月であった.最も多かったE4201試験に準じた19例での解析ではそれぞれ42.1%,78.9%,10.9ヶ月,14.0ヶ月であった.また今回の解析例にGEM-RT後切除可能となった症例はなかった.【結論】切除不能局所進行膵癌に対するGEM-RTの有用性が示唆される.
索引用語 膵癌, 化学放射線療法