セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)膵臓(腫瘍)5 |
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タイトル | 消P-233:切除不能局所進行膵癌に対する全身化学療法の検討 |
演者 | 松原 稔(岡山大病院・消化器内科) |
共同演者 | 加藤 博也(岡山大病院・消化器内科), 友田 健(岡山大病院・消化器内科), 松本 和幸(岡山大病院・消化器内科), 榊原 一郎(岡山大病院・消化器内科), 野間 康宏(岡山大病院・光学医療診療部), 山本 直樹(岡山大病院・消化器内科), 園山 隆之(岡山大病院・消化器内科), 堤 康一郎(岡山大病院・消化器内科), 那須 淳一郎(岡山大病院・消化器内科), 岡田 裕之(岡山大病院・光学医療診療部), 山本 和秀(岡山大病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】現在、切除不能局所進行膵癌に対する治療として化学放射線療法および全身化学療法の2つがガイドラインで推奨されており、標準治療は定まっていない。今回当科で行っている切除不能進行膵癌に対する化学放射線療法および全身化学療法の治療成績を検討し、治療効果ならびに問題点を考察する。【対象】2007年4月より2011年12月までに当科にて病理組織学的に腺癌と診断された治癒切除不能局所進行膵癌41例のうち、当科で治療を行った局所進行膵癌患者25例(男性15例、女性10例、年齢中央値66歳:48-86歳)を対象にretrospectiveに検討を行った。化学放射線療法はweekly GEM 500mg/m2に放射線療法50.4Gy(1.8Gy/25Fr)を同時併用し、その後weekly GEM 1,000mg/m2にて化学療法継続した。全身化学療法は1次治療としてGEMもしくはTS-1を用いた化学療法を行い、2次治療は1次治療で用いなかった薬剤にて化学療法を行った。【成績】切除不能局所進行膵癌25例の腫瘍占拠部は頭部18例、体尾部7例であった。膵頭部癌18例のうち13例は化学療法前に胆管ドレナージが必要であった。治療法の内訳は化学放射線療法(GEM+RT)4例、全身化学療法21例(GEM:19例、TS-1:2例)であった。化学放射線療法は全例予定放射線治療を完遂でき、治療効果はPR 1例、SD 3例、1年生存率は75%であった。全身化学療法の1年生存率は62%で、1年以上の生存例では、1次治療の長期SD例を除き全例2次治療が施行されていた。一方1年未満の生存例での2次治療は50%であった。また、3年以上の長期生存は全身化学療法で2例認めた。【結論】今回の検討では、1年生存率において化学放射線療法が全身化学療法より優れた結果であったが、3年以上の長期生存例は全身化学療法の少数のみであった。長期生存には1次治療だけでなく2次治療も重要であり、さらなる治療成績の向上には全生存期間を考慮した治療戦略が必要である。 |
索引用語 | 局所進行膵癌, 化学療法 |