セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(腫瘍)5

タイトル 消P-234:

局所進行膵癌における化学放射線療法の検討

演者 毛利 輝生(広島大病院・消化器・代謝内科)
共同演者 佐々木 民人(広島大病院・消化器・代謝内科), 芹川 正浩(広島大病院・消化器・代謝内科), 小林 賢惣(広島大病院・消化器・代謝内科), 斎 宏(広島大病院・消化器・代謝内科), 神垣 充宏(広島大病院・消化器・代謝内科), 南 智之(広島大病院・消化器・代謝内科), 岡崎 彰仁(広島大病院・消化器・代謝内科), 行武 正伸(広島大病院・消化器・代謝内科), 石垣 尚志(広島大病院・消化器・代謝内科), 石井 康隆(広島大病院・消化器・代謝内科), 小酒 慶一(広島大病院・消化器・代謝内科), 吉見 聡(広島大病院・消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大病院・消化器・代謝内科)
抄録 【目的】切除不能な局所進行膵癌に対する化学放射線療法(CRT)の意義を明らかにする。【対象と方法】1998年4月から20011年12月までに、当院を受診した切除不能局所進行膵癌67例(男性43例、女性24例)を対象とした。進行度はIVa:51例、 IVb:16例であった。治療法別にはCRT(Gem250mg/m2+50.4Gy)31例、化学療法(CT:Gem,S-1,etc.)26例、BSC10例であった。治療効果はRECISTによる画像判定と、腫瘍マーカーの低下率(A群:治療前値に比べ低下率が25%未満、B群:低下率が25~75%、C群:低下率が75%以上)で判定した。検討項目は治療法別の治療完遂率と有害事象、RECISTと腫瘍マーカーによる治療効果および症状緩和効果、治療法別の生存期間とした。【結果】治療完遂率はCRT80.6%(25/31)、CT96.2%(25/26)であった。Grade3以上の有害事象はCRTのべ22例(血液毒性9例、消化器症状10例、その他3例)、CTのべ10例(血液毒性10例)であり、休薬および減量を必要とした症例はCRT58.1%(18/31)、CT38.5%(10/26)であった。RECISTによる治療効果(CR/PR/SD/PD)は、CRTで1/4/15/5、CTで0/4/13/9であった。Response rate/Disease control rateは、CRT20%/80%、CT15.4%/65.4%であった。腫瘍マーカーの低下率(A群/B群/C群)は、CRT5/9/8例、CT11/6/9例であった。治療法別の生存期間中央値(MST)はCRT371日、CT317日であり有意差は認めなかった。BSCのMSTは117日であった。疼痛などの症状緩和効果はCRT57.1%(8/14)、CT25%(3/12)であった。【考察】CT群と比較しCRT群ではMSTの延長を認めたが、有意差は認めなかった。これまでのCRTは抗癌剤を増感剤として使用していたため、治療開始後に十分量の抗癌剤を投与することができなかったことが一因と考えられる。抗癌剤を増感剤として投与するのではなく、抗癌剤を中心としたCRTの開発が必要と考える。
索引用語 局所進行膵癌, 化学放射線療法