セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(腫瘍)5

タイトル 消P-235:

当院における局所進行切除不能膵癌に対する化学放射線療法の治療成績

演者 今岡 大(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科)
共同演者 山雄 健次(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 水野 伸匡(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 原 和生(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 肱岡 範(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 田近 正洋(愛知県がんセンター中央病院・内視鏡部), 近藤 真也(愛知県がんセンター中央病院・内視鏡部), 田中 努(愛知県がんセンター中央病院・内視鏡部), 永塩 美邦(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科DELIMITER愛知県がんセンター中央病院・内視鏡部), 長谷川 俊之(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 大林 友彦(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 品川 秋秀(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 清水 泰博(愛知県がんセンター中央病院・消化器外科), 丹羽 康正(愛知県がんセンター中央病院・消化器外科)
抄録 <はじめに>局所進行切除不能膵癌に対する治療において、化学放射線療法の評価は未だ定まっていない。<目的>当院における局所進行切除不能膵癌に対する化学放射線療法の有用性をジェムザール(GEM)単独投与群との比較により検討すること。<対象>2001年7月~2011年6月までの間に当院にて治療が行われた局所進行切除不能膵癌症例のうち、病理学的に通常型膵癌の診断が得られている206例。<結果>対象症例における治療の内訳は、BSC;12例、GEM単独投与;143例、化学放射線療法;51例(5-FU併用[5-FU+RT];24例、GEM併用[GEM+RT];17例、S-1併用[S-1+RT];10例)であった。BSC群における全生存期間中央値(MST)は8.4ヶ月、GEM単独投与群におけるMSTは13.1ヶ月(95%信頼区間[CI]; 10.0-14.7ヶ月、1年生存率; 55.1%)であった。化学放射線療法の治療成績は、GEM単独投与に対して5-FU+RT群およびS-1+RT群において予後が延長する傾向がみられたものの(5-FU+RT群 [ハザード比; 0.65、95%CI; 0.35-1.21、p=0.179、MST; 16.2ヶ月、1年生存率; 57.7%]、S-1+RT群[ハザード比; 0.76、95%CI; 0.27-2.09、p=0.60、MST; 18.6ヶ月、1年生存率; 68.5%]、有意差は認められなかった。またGEM+RT群においては、予後は短縮する傾向にあった(ハザード比; 1.23、95%CI; 0.67-2.26、p=0.49、MST; 10.4ヶ月、1年生存率; 43.9%)。<まとめ>当院における局所進行切除不能膵癌に対する治療において、GEM単独投与群に対して5-FUおよびS-1併用化学放射線療法において予後が延長される傾向にあり、GEM併用化学放射線療法群において予後は短縮する傾向にあったが、いずれも有意差は認められなかった。局所進行切除不能膵癌の治療における化学放射線療法の適応については、慎重に検討する必要がある。
索引用語 膵癌, 化学放射線療法