セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(症例報告/その他)

タイトル 消P-252:

膵仮性嚢胞の胸腔内穿破に対し経乳頭的内視鏡的ドレナージが有効であった2例

演者 陣内 秀仁(獨協医大病院・消化器内科)
共同演者 笹井 貴子(獨協医大病院・消化器内科), 土田 幸平(獨協医大病院・消化器内科), 吉竹 直人(獨協医大病院・消化器内科), 星野 孝文(獨協医大病院・消化器内科), 小嶋 和夫(獨協医大病院・消化器内科), 平石 秀幸(獨協医大病院・消化器内科)
抄録 【背景】急性膵炎もしくは慢性膵炎後の仮性嚢胞合併はしばしば経験され、様々な合併症を来すことから治療に難渋する例が多い。進展方向によっては経横隔膜的に穿破を来たし膵性胸水の原因ともなる。今回我々は膵炎後の仮性嚢胞胸腔内穿破により生じた難治性の膵性胸水に対し経乳頭的ドレナージが有効であった2例を経験したので報告する。【症例1】57歳、男性。呼吸苦を主訴に近医受診し、胸水の診断で当院呼吸器内科へ紹介となった。胸部単純X線にて左肺野に多量の胸水を認め、胸水中のAMYが高値であることから膵性胸水の診断で当科コンサルトとなった。腹部CTにて慢性膵炎急性増悪、膵仮性嚢胞の胸腔内穿破と診断、胸水の持続ドレナージに加え膵炎加療を行った。内視鏡的逆行性膵管造影では膵尾部に仮性嚢胞との交通が疑われ経乳頭的膵管ドレナージを施行。術後に仮性嚢胞は縮小し軽快した。【症例2】47歳、男性。発熱・左側腹部痛にて当院救急搬送となった。CTにて膵体部癌と膵仮性嚢胞の嚢胞内出血及び、胸腔内穿破が疑われ当科コンサルトとなった。膵体部癌による膵管狭窄、仮性嚢胞の増大と判断し内視鏡的逆行性膵管ドレナージ術を施行した。その後仮性嚢胞の縮小と膵性胸水の減少を確認し、膵癌手術目的に外科へ転科となった。【まとめ】今回我々は膵仮性嚢胞の胸腔内穿破による膵性胸水を伴った2例を経験した。両症例ともに内視鏡的膵管ドレナージにより仮性嚢胞の縮小を認め、膵性胸水も軽快傾向となり内視鏡的治療が有用であったと考えられた。近年、膵仮性嚢胞に対する内視鏡的膵管ドレナージの有用性が多く報告されており文献的考察も加え報告する。
索引用語 膵仮性嚢胞, 膵性胸水