セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(症例報告/その他)

タイトル 消P-254:

慢性膵炎と自己免疫性膵炎の性差による臨床像の差異

演者 齋藤 格(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科)
共同演者 神澤 輝実(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 剛崎 有加(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 千葉 和朗(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 田畑 拓久(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 原 精一(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 来間 佐和子(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 桑田 剛(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 藤原 崇(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 江頭 秀人(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 藤原 純子(がん・感染症センター都立駒込病院・内視鏡科), 荒川 丈夫(がん・感染症センター都立駒込病院・内視鏡科), 小泉 浩一(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科), 門馬 久美子(がん・感染症センター都立駒込病院・内視鏡科), 江川 直人(がん・感染症センター都立駒込病院・消化器内科)
抄録 【目的】慢性膵炎と自己免疫性膵炎における性差による臨床像の違いを検討した。【方法】慢性膵炎確診231例と自己免疫性膵炎75例を対象とし、その臨床的特徴について性差の観点から比較検討した。【成績】1.慢性膵炎は男性198例、女性33例(男女比1:0.17)と男性が圧倒的に多かった。男女比は非高齢者1:0.09、高齢者で1:0.42であり、加齢と伴に女性の比率が増加した(p<0.001)。成因は、男性ではアルコール性が多く(男85% vs. 女24%、p<0.001)、女性では特発性が多かった(9% vs. 48%、p<0.001)。腹痛は男性で55%に、女性で30%に認め、女で無痛性が多かった(p=0.009)。しかし、高齢者では男女ともに無痛性が75%を占め、男性では非高齢者36%と比較して増加した(p<0.001)。膵石の合併に男女差はなかったが、糖尿病の合併は女性で少なかった(49% vs. 30%、p=0.04)。2.自己免疫性膵炎は、男性55例、女性20例(男女比1:0.36)と男性が多かった。診断時の年齢は、男性が64±37歳、女性が64±27歳で、いずれも高齢であった。血中IgG4値(427.5±2062.5 mg/dl vs. 462.6±1897.4 mg/dl)、び慢性膵腫大の有無(43% vs. 50%)に差を認めなかった。糖尿病合併の有無に男女差は認めなかった。男性では非高齢者(18%)より高齢者(60%)で高頻度に糖尿病を合併したが(p=0.0019)、女性では非高齢者33%、高齢者36%と差を認めなかった 。【結論】慢性膵炎、自己免疫性膵炎とも男性の比率が高かった。女性の慢性膵炎は加齢と伴に増加し、特発性が多く、無痛性が多かった。男性の自己免疫性膵炎は、加齢と伴に糖尿病合併の頻度が増加した。
索引用語 慢性膵炎, 性差