セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓(その他)

タイトル 消P-257:

進行膵癌患者に対するONSとしての経口経腸栄養剤の検討

演者 石原 武(千葉大大学院・腫瘍内科学)
共同演者 多田 素久(千葉大大学院・腫瘍内科学), 三方 林太郎(千葉大大学院・腫瘍内科学), 太和田 勝之(千葉大大学院・腫瘍内科学), 黒澤 浄(千葉大大学院・腫瘍内科学), 斎藤 将喜(千葉大大学院・腫瘍内科学), 西川 貴雄(千葉大大学院・腫瘍内科学), 杉山 晴俊(千葉大大学院・腫瘍内科学), 酒井 裕司(千葉大大学院・腫瘍内科学), 露口 利夫(千葉大大学院・腫瘍内科学), 横須賀 收(千葉大大学院・腫瘍内科学)
抄録 【目的】進行膵癌患者では併存する消化管狭窄、腹膜播種などにより栄養不良をきたしやすい。特に化学療法中の栄養状態の悪化は、PSの低下をきたし、原疾患の進行に少なからず影響を与え、化学療法継続を困難とする一因となりうる。近年、化学療法時の栄養管理で、食事に補助的に経腸栄養剤を併用するONS(Oral nutritional supplements)の有用性が報告されている。今回、進行膵癌患者におけるONS としての経腸栄養剤のfeasibilityにつき検討した。【方法】2010年1月より2012年3月まで、進行膵癌患者に経口で経腸栄養剤(エレンタール11例、エンシュアリキッド7例、エンシュアH 2例、ラコール2例:重複あり)を投与した20症例(男性12例、女性8例、平均年齢67.3歳)を対象とした。病変部は膵頭部8例、膵体部10例、膵尾部2例であり、進行度はstage IVa 9例、stage IVb11例であった。治療は抗癌剤(gemcitabine)併用炭素イオン線治療2例、化学療法(gemcitabine 8例、S1+gemcitabine併用療法10例)をfirst lineとして施行した。経腸栄養剤の投与量は症状(食思不振、低栄養)にあわせて1-3食/日とした。患者背景と服薬状況、臨床データの推移を投与前、投与後4週間で評価した。有効性に関しては投与期間と栄養改善効果とで評価した。【成績】15例は化学療法中に補助療法として投与された。そのうち6例は十二指腸ステント留置例であった。一方、best supportive care(BSC)として投与されたのが5例あった。1ヶ月以上内服した症例は15例(75%)で、3ヶ月以上は6例(30%)であった。BSC症例は平均20.8(7-42)日と短期間の投与であった。栄養改善効果については有意な差は得られなかった。いずれの症例も重篤な有害事象はみられなかった。【結論】進行膵癌患者の化学療法中にONSとして補助的に経腸栄養剤を内服することは忍容性が高かった。
索引用語 膵癌, 経腸栄養剤