セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)食道・咽頭(基礎) |
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タイトル | 消P-269:抗糖尿病薬Metforminによる食道扁平上皮癌細胞増殖の抑制-MetforminのターゲットmicroRNAの同定 |
演者 | 小林 三善(香川大・消化器・神経内科) |
共同演者 | 加藤 清仁(香川大・消化器・神経内科), 三村 志麻(香川大・消化器・神経内科), 藤原 新太郎(香川大・消化器・神経内科), 西山 典子(香川大・消化器・神経内科), 山名 由花(香川大・消化器・神経内科), 野村 貴子(香川大・消化器・神経内科), 野村 圭(香川大・消化器・神経内科), 谷 丈二(香川大・消化器・神経内科), 三好 久昭(香川大・消化器・神経内科), 小原 英幹(香川大・消化器・神経内科), 森 宏仁(香川大・消化器・神経内科), 正木 勉(香川大・消化器・神経内科) |
抄録 | [目的]近年,抗糖尿病薬であるMetforminが前立腺癌,乳癌に対して抗癌作用を持つことが報告されている.今回我々はMetforminが食道扁平上皮癌に対して,抗癌作用を持つことを,in vitroの系で証明した.更に,Metforminの抗癌作用に関連するmicroRNAの同定を網羅的に解析した.[方法] in vitroの系としてT.T,KYSE30,KYSE70を使用し種々の濃度のMetformin投与による細胞増殖をcell proliferation assayにより検討し, Metforminの投与による癌細胞の細胞周期の動態をフローサイトメトリーでMetformin非投与と比較検討した.種々の細胞周期関連分子の発現動態はWestern blot法により検討した.また,Metformin投与により誘導されるmiRNAsを1000分子が搭載されたアレイを用いて網羅的に解析した.[結果]in vitroの系においてMetformin投与は非投与群と比較して,3種類すべての食道扁平上皮癌細胞株で,濃度依存的に増殖を抑制した.Metformin投与は非投与と比較して,細胞周期関連分子であるCyclinD1,Cdk4,Cdk6の発現を抑制し,Rbのリン酸化も低下させた.また,フローサイトメトリーにおける検討でも,Metformin投与は食道扁平上皮細胞癌株をG1アレストに導いていた.さらに,Metformin投与により,62種類のmiRNAsの発現動態が有意に変化しており,Metformin投与と非投与は異なるmiRNAsのクラスターを形成していた.また,CyclinD1をターゲット遺伝子とするLet7は顕著に減弱していた.また,Metformin投与は,食道がんの予後不良miRNAsと評価されているmiR-103/107の発現も抑制していた. [結論]Metforminは、食道扁平上皮癌に対しmiRNAsを変化させることにより,細胞周期のG1アレストを引き起こし,安価で副作用の少ない抗癌剤になり得ると考えられる. |
索引用語 | 食道癌, メトホルミン |