セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭(良性疾患)1

タイトル 消P-274:

GERD患者の実地診療におけるエソメプラゾール20mgの症状改善効果の検討

演者 石原 慎一(石原消化器内科クリニック)
共同演者
抄録 【目的】新規に臨床使用可能となったエソメプラゾール(EPZ)は第2世代のPPI製剤であり、既存PPIに比べて胃酸分泌抑制効果が高いとされる。GERD患者に対して高い症状改善効果が期待されるが本邦における臨床使用の報告は少ない。今回、GERD症状を呈する患者にEPZを投与し症状改善効果について検討を行ったので報告する。【方法】GerdQ問診票により治療開始が相当と判定された新規PPI使用開始患者および既存PPIを4週以上継続投与中にもかかわらず、治療効果不十分と判定されたGERD患者に対して、EPZ20mgを1日1回食後に4週間投与し、2、4週後のGerdQによる治療有効率とF-scaleのスコア変化を検討した。【成績】新規PPI使用開始患者26名(平均年齢59.8±7.4)のGerdQによる治療有効率は2週後61.5%、4週後80.8%であった。F-scaleの総合スコアの平均は登録時の16.6±4.7から2週後10.6±3.8、4週後7.5±3.4であり、登録時に比べ有意に低下した(ともにP<0.01:Paired t-test)。PPI治療効果不十分患者44名(平均年齢65.1±5.3)の前治療PPIは倍量8名、常用量33名、半量3名であった。GerdQによる治療有効率は2週後63.6%、4週後70.5%であり、F-scaleは登録時15.3±3.0、2週後10.9±2.8、4週後8.61±2.9と有意に低下した(ともにP<0.01:Paired t-test)。EPZ投与中の特筆すべき副作用は認められなかった。【結論】エソメプラゾールは前治療の有無にかかわらず、GERD患者の症状を改善し、良好な認容性が認められた。
索引用語 GERD, エソメプラゾール