セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭(良性疾患)2

タイトル 消P-278:

PPIによる維持療法を行っているGERD患者の臨床的特徴

演者 河原 史明(神戸大・消化器内科)
共同演者 藤田 剛(神戸大・消化器内科), 石田 司(神戸大・消化器内科), 森田 圭紀(神戸大・消化器内科), 矢野 嘉彦(神戸大・消化器内科), 斉藤 雅也(神戸大・消化器内科), 奥野 達哉(神戸大・消化器内科), 近藤 靖之(神戸大・消化器内科), 大井 充(神戸大・消化器内科), 吉田 志栄(神戸大・消化器内科), 久津見 弘(神戸大・消化器内科), 早雲 孝信(神戸大・消化器内科), 東 健(神戸大・消化器内科)
抄録 【目的】PPIによる維持療法をおこなっているGERD患者の臨床的特徴を明らかにすることを目的とした。【方法】平成23年2月から平成24年3月に当科外来で通院加療されているGERD患者のうち、処方内容を変更することなくPPIによる維持療法が2か月以上施行されており、本研究に同意の得られた40例を対象とした。調査項目は、FSSG問診票、GSRS問診票、患者背景(性別・年齢・BMI・合併症)、H.pylori感染、内視鏡的逆流性食道炎の有無、食道裂孔ヘルニアの有無、内視鏡的萎縮性胃炎の有無、CYP2C19遺伝子型、PPIの種類・用量である。FSSG 8点以上群と7点以下群に分け、臨床的特徴を統計学的に比較した。【成績】対象となった40例は男性17例、女性23例、平均年齢は68.1歳(40歳~84歳)であった。ピロリ菌感染は38例中7例(18.4%)で陽性であった。びらん性食道炎は39例中19例(48.7%)に認め、食道裂孔ヘルニアは39例中24例(61.5%)に認めた。FSSG 8点以上は20例(50%)、FSSG16点以上は12例(30%)であった。FSSG 8点以上群と7点以下群との間に有意な差が認められた患者背景因子は、BMI(21.4±2.4 vs 23.4±3.3, p=0.039)、食道裂孔ヘルニア有(42.1% vs 80%, p=0.017)、半量のPPI投与(5.3% vs 35%, p=0.026)であった。びらん性食道炎19例の検討では、FSSG酸逆流スコアはCYP2C19遺伝子多形がRM群ではIM+PM群と比べ有意に高値であった(中央値12 vs 2.5, p=0.0044)。また、FSSG全体スコアとGSRS全体スコアとの間には有意な相関関係が認められた(R=0.604, p<0.0001)。【結論】PPIによる維持療法をおこなっているGERD患者の半数でGERD症状の残存を認めQOLは低下していた。BMIがより低いことと食道裂孔ヘルニアの合併がより少ないことが有意に関連していた。CYP2C19遺伝子多型はびらん性食道炎の酸逆流スコアに関して有意に関連していた。(本研究は当院薬剤部との共同研究である)
索引用語 GERD, 維持療法