セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭(良性疾患)2

タイトル 消P-281:

GerdQ改編版のGERD治療効果評価に対する有用性

演者 鈴木 美櫻(北海道大病院・消化器内科)
共同演者 石垣 沙織(北海道大病院・消化器内科), 高橋 正和(北海道大病院・消化器内科), 清水 勇一(北海道大病院・消化器内科), 坂本 直哉(北海道大病院・消化器内科), 小野 尚子(北海道大病院・光学医療診療部), 森 康明(北海道大病院・光学医療診療部), 間部 克裕(北海道大病院・光学医療診療部), 工藤 俊彦(北海道大病院・光学医療診療部), 加藤 元嗣(北海道大病院・光学医療診療部), 中川 学(中川胃腸科), 中川 宗一(中川胃腸科)
抄録 【背景】近年海外で開発されたGerdQは新規のGERDスクリーニング時に特異的な問診票である。これはGERDを特異的に抽出するため、FD症状を反映する質問項目では症状が強いほど点数が低くなるように設計されている。しかし、GERDではFD様症状を併発することは少なくないため、GERDの治療効果については、現行のGerdQの点数では評価が困難である可能性が高い。今回、GerdQのスコア法を変更し、FD症状に関する項目でも症状の強さに応じて点数が高くなるようにしたGerdQ変法の有用性について検討した。
【方法】GerdQに治療薬の服用状態と患者の治療効果に対する感想の項目を加えた問診票を作成した。GERDの維持療法中の患者に対して、この問診法とFスケール問診表(FSSG)を施行して、両者の関係について検討した。また、患者の治療効果感想の5項目「大変良好」「良好」「普通」「やや不良」「不良」を各々0~4点としてスコアリングし、問診表に基づき分けられた「治療効果十分群」と「治療効果不十分群」の間で比較した。
【成績】79例のGERD患者に対し75例の有効な回答が得られた。対象症例の男女比は4:6、平均年齢は68.2歳で逆流性食道炎32%、NERD63%であった。維持療法はPPI常用量67%,PPI屯用が8%であった。GerdQ原法の総合計点とFスケールの相関は0.403であったが、GerdQ変法の総合計点では0.697と強い相関関係が認められた。これは、GerdQの治療効果点数と逆流症状点数より強い相関がえられた。さらに、治療効果十分群では治療効果スコアの平均値2.438点、不十分群では3.06点であり、その差は有意であった(p=0.031)。
【結論】GerdQはGERD診断のみならず、GerdQ変法によって、Fスケールとの相関が強く、治療評価においても有用であることが示唆された。
索引用語 GERD, GerdQ