セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
食道・咽頭(良性疾患)2
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タイトル |
消P-282:GERDに対する消化管運動改善薬の有用性の検討
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演者 |
桑原 崇通(刈谷豊田総合病院・内科) |
共同演者 |
浜島 英司(刈谷豊田総合病院・内科), 後藤 秀実(名古屋大・消化器内科) |
抄録 |
【目的】GERD/NERD/PPI抵抗性GERDに対する消化管運動改善薬(mosapride citrate hydrate,六君子湯)の有用性について,草野らのF scaleを用いて明らかにする.【対象】2011年4月~6月の間に当科で上部消化管内視鏡・F scaleを同時に施行し,F scale:8点以上のGERD64例(消化管運動改善薬は未投与)を対象とした.64例中,逆流性食道炎のLA分類改のGrade N・MのNERDが32例,既にrabeprazole(以下RPZ,10mg)1Tを4週以上内服し,F scale:8点以上のGERDであるPPI抵抗性GERDが9例であった.【方法】GERD64例を,RPZ 1T投与群(R群),RPZ 1T+mosapride(5mg)3T投与群(R+M群),RPZ 1T+六君子湯(2.5g)3P投与群(R+Ri群)の3群に,PPI抵抗性GERD 9例を,R+M群,R+Ri群の2群に,無作為に振り分け,4週間後にF scaleを施行した.GERD・NERD毎に,3群それぞれのF scaleの値の推移,3群間のF scaleの値の推移の比較を,F scaleの全体・酸関連項目・運動不全関連項目別に検討した.PPI抵抗性GERDでは,F scaleの値の推移を同様に検討した.尚,検定には,Wilcoxon t-test,Kurskal-Wallis test,Mann-Whitney U-testを用いた.【結果】GERDでは,3群それぞれのF scaleの値(全体・酸・運動不全関連項目別)は,有意に低下し(p<0.05),3群間でF scaleの値の推移を比較すると,全体・酸・運動不全関連項目別で,差を認めなかった.NERDでは,3群それぞれのF scaleの値(全体・酸・運動不全関連項目別)は,有意に低下し(p<0.05),3群間でF scaleの値の推移を比較すると,全体・酸関連項目では3群間に差を認めなかったが,運動不全関連項目ではR+Ri群が他の2群に比し有意に低下した(p<0.05).PPI抵抗性GERDでは,F scaleの値(全体・酸・運動不全関連項目別)は,有意に低下した(p<0.05).【結論】GERDの初期治療は,PPI単剤投与が妥当であった.NERDの初期治療はPPIに六君子湯を併用すること,PPI抵抗性GERDはPPIに消化管運動改善薬を追加することで,治療の上乗せ効果が期待出来ると考えられた. |
索引用語 |
GERD, 消化管運動改善薬 |