セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭(良性疾患)3

タイトル 消P-284:

好酸球性食道炎およびPPI反応性食道好酸球浸潤の頻度に関する多施設共同研究

演者 藤原 靖弘(大阪市立大・消化器内科)
共同演者 須川 貴史(大阪掖済会病院・消化器内科), 田中 史生(大阪市立大・消化器内科DELIMITER泉大津市立病院・消化器内科), 達脇 大(山本第三病院), 奥山 正嗣(市立柏原病院・消化器内科), 早川 剛(今里胃腸病院), 山森 一樹(大阪掖済会病院・消化器内科), 和田 力門(浅香山病院), 谷川 徹也(大阪市立大・消化器内科), 大谷 健二郎(長吉総合病院), 宇野 裕典(大野記念病院), 渡辺 芳久(浅香山病院), 富永 和作(大阪市立大・消化器内科), 渡辺 俊雄(大阪市立大・消化器内科), 高石 修(市立柏原病院・消化器内科), 佐伯 善彦(今里胃腸病院), 根引 浩子(大阪市立総合医療センター・消化器内科), 押谷 伸英(泉大津市立病院・消化器内科), 佐藤 博之(大阪市立総合医療センター・消化器内科), 荒川 哲男(大阪市立大・消化器内科)
抄録 好酸球性食道炎(EoE)は嚥下困難や食物のつまり感を主症状とし生検にて15/HPF以上の食道上皮内好酸球浸潤を認める疾患とされている。海外では多くの報告があるが、本邦を含めたアジアでの報告は少ない。AGAガイドラインによればEoEはGERDを除外する必要がある。しかしながら、治療としてPPIを挙げる報告もあり議論が多い。2011年のJACIガイドラインによればPPIにて改善するものをPPI反応性食道好酸球浸潤と提唱している。【目的】本邦におけるEoEおよびPPI反応性食道好酸球浸潤の頻度とその特徴を検討する。【方法】2010年9月から2011年3月までに関連10施設において上部消化管内視鏡検査を施行した症例について嚥下困難や食物つまり感、内視鏡的に縦走溝、リング、白斑といった特徴的な所見などEoEが疑われる症例について生検を行い、上皮内浸潤好酸球数を算定した。15/HPF以上の浸潤を認める有症状症例に対してPPIを8週間投与し、改善を認める症例をPPI反応性食道好酸球浸潤、認めない症例をEoEと定義した。【結果】13,634症例中EoEが疑われた症例は71例(0.52%)であり、このうち7症例(0.05%)に有意な上皮内好酸球浸潤を認めた。7症例の平均年齢50.2歳、全例男性。4例にアレルギー疾患合併あり。縦走溝6例、リング3例、白斑2例、5例にGrade A以上の逆流性食道炎、2例にヘルニアを認めた。2例は無症状であり、残り5例中3例はPPI反応性食道好酸球浸潤、2例はEoEであった。【結語】本邦におけるEoEおよびPPI反応性食道好酸球浸潤は稀な疾患と考えられた。
索引用語 好酸球性食道炎, PPI