抄録 |
【目的】本試験の目的はRPZ10mgで治療中にも関わらず 胸やけがある患者に対するEPZ20mgの有効性を検討することである。【方法】本試験はオープンラベルの第4相試験として、2011年8月から2012年1月の間に実施した(Clinicaltrials.gov number:NCT01397084)。対象は20歳以上で過去に逆流性食道炎と診断され、RPZ10mgで4週間以上治療中にも関わらず、登録前1週間に2日以上の胸やけが残っている患者とし、その患者にEPZ20mgを8週間投与した。主要評価項目はEPZ20mg投与8週後の胸やけの1週間の日数の変化とした。副次評価項目はEPZ20mg投与8週後の呑酸、上腹部痛の1週間の日数の変化、胸やけ、呑酸、上腹部痛の持続症状改善率(7日間連続で症状が消失と定義)及び患者の治療満足度とした。試験期間中は全ての有害事象を記録・評価した。 【成績】本試験では104名の患者を登録し、平均年齢は 50.9歳、55.8 %が男性であった。胸やけの1週間の日数(中央値)は投与前からEPZ20mg投与8週後で4.4日/週 (範囲:2-7日) から0日/週 (2-7日)に減少した (Wilcoxon符号付順位検定:p< 0.001)。呑酸、上腹部痛の1週間の日数は投与前からEPZ20mg投与8週後でそれぞれ4.0日 /週(0-7日) 、2.0日/週 (0-7日) から0日/週 (0-7日)、 0日/週 (0-7日)に減少した (共に、Wilcoxon符号付順位検定:p <0.001)。Kaplan-Meier法による解析の結果、EPZ20mg投与8週後の胸やけ、呑酸、上腹部痛の持続症状改善率はそれぞれ 77.5% (95% CI:68.8-85.1) 、85.9% (78.3-91.9)、81.7% (73.6-88.6)であった。ほとんどの患者(95.2%)がEPZ20mgの治療に「満足」または「ほぼ満足」していた。EPZ20mgの治療の忍容性は確認された。【結論】EPZ20mgの治療はRPZ10mgで胸やけがコントロールできなかった患者で有効性と忍容性が確認され、大部分の患者が変更後の治療に満足していた。 |