セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

食道・咽頭(良性疾患)3

タイトル 消P-287:

「食道アカラシア」および「びまん性食道痙攣症」に対し,POEMを行った2例

演者 塩飽 洋生(福岡大・消化器外科)
共同演者 井上 晴洋(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 別府 理智子(福岡大・消化器外科), 中島 亮(福岡大・消化器外科), 南 ひとみ(昭和大横浜市北部病院・消化器センター), 愛洲 尚哉(福岡大・消化器外科), 三宅 徹(福岡大・消化器外科), 吉田 陽一郎(福岡大・消化器外科), 谷村 修(福岡大・消化器外科), 城下 豊生(福岡大・消化器外科), 山内 靖(福岡大・消化器外科), 星野 誠一郎(福岡大・消化器外科), 山下 裕一(福岡大・消化器外科)
抄録 【はじめに】2008年に井上らが経口内視鏡的筋層切開術(Per-Oral Endoscopic Myotomy:POEM)を報告して以降, 国内外の先進施設で食道アカラシアに対しPOEMが積極的に行われるようになってきた. 今回「食道アカラシア」と「びまん性食道痙攣症(Diffuse esophageal spasm:DES)に対し, POEMを行ったので報告する.【症例1】44歳 男性. 34歳ころより嚥下時のつかえ感あり. 検診で, アカラシアを疑われたが, 放置していた.最近になり症状の増悪があり, 精査加療目的で 当科受診となった. 上部消化管造影検査で下部食道の狭窄像と口側食道の拡張あり. 食道内圧測定では下部食道括約部の嚥下性弛緩不全、一次蠕動波の消失、同期性収縮波の出現を認めた. 以上の所見より食道アカラシアと診断され, POEMを行った. 経過問題なく, 術後5日目で退院.Eckerd scoreは術前7点から術後0点と改善を示した.【症例2】79歳女性. 60歳頃より食後のつかえ感・嘔吐・胸痛が出現するも様子をみていた.2010年10月頃より、症状の増悪を認めたため、近医受診.食道運動機能障害が疑われ、同年12月、精査加療目的で当科紹介受診となった.上部消化管造影検査で胸部上部食道から胸部下部食道にかけてcorkscrew状の陰影像を認めた.食道内圧検査では2回以上の反復する同期性収縮が水嚥下に伴う収縮運動の20%以上に認められた.以上の所見より、DESと診断.半年間の内服治療を行ったが効果なく,十分なインフォームドコンセントのもと,POEMを施行した.経過問題なく,術後5日目で退院.Eckerd scoreは術前7点から術後0点と改善を示した.両症例ともに術後6カ月経過するが、症状の再燃は見られていない.【結語】 POEMは筋層切開の長さに技術的な制限がないため, 食道アカラシアのみならず, びまん性食道痙攣症に対しても, 有用な治療法であると考える.
索引用語 アカラシア, POEM