セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)食道・咽頭(悪性疾患)1 |
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タイトル | 消P-292:高度狭窄をきたした食道癌における化学放射線療法の意義 |
演者 | 近藤 真也(愛知県がんセンター中央病院・内視鏡部) |
共同演者 | 丹羽 康正(愛知県がんセンター中央病院・内視鏡部), 田近 正洋(愛知県がんセンター中央病院・内視鏡部), 田中 努(愛知県がんセンター中央病院・内視鏡部), 水野 伸匡(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 原 和生(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 肱岡 範(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 今岡 大(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 永塩 美邦(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 小倉 健(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 羽場 真(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 長谷川 俊之(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 大林 友彦(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 品川 秋秀(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 山雄 健次(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】食道癌における化学放射線療法(CRT)は、現在では全ての病期において治療の選択肢の一つとなっている。しかし、T4症例を中心とした高度狭窄をきたした症例に対する狭窄改善効果については未だ明らかではない。今回、高度狭窄をきたした食道癌に対するCRTの治療成績について検討した。【方法】2008年1月から2010年12月までに当施設でCRTを施行した食道扁平上皮癌150例のうち、高度狭窄のため治療前の内視鏡検査(GIF-H260,オリンパス社)にて通過が不可能であった29例を対象とした。男性23例、女性6例、年齢中央値65歳(42-84歳)、cStage(UICC 6th) III/IVA/IVB:12/4/13例であった。これらの症例についてCRT前後の狭窄状況について内視鏡の通過の有無とKnyrimらのdysphagia score(0-4)を用いて評価した。また、治療後に内視鏡の通過が可能となった症例の特徴を検討した。【結果】29例中1例は肺炎にて治療が完遂できず、1例はCRT終了後に出血により死亡したため治療後の評価が不可能であった。残る27例中10例(37%)においてCRT後に内視鏡の通過が可能となった。この10例のうち、結果観察中(観察期間中央値414日)に2例で再狭窄を来たし内視鏡の通過が不可能となった。Dysphagia scoreは、全体では治療前が2.4±1.0、治療後が1.9±1.3であり治療後に改善を認めた。治療後に内視鏡が通過した群(A群:10例)と通過が不可能であった群(B群:17例)との間に治療前のdysphagia score(A:2.4±1.0、B:2.6±1.1) 、cT3/4(A:1/9、B:5/12)、cN0/1(A:1/9、B:1/16)において統計学的な有意差は認めなかった。全体でのCR率は4例(14.8%)、A群に限ると局所で7例(70%)、総合効果で4例(40%)のCRを得られた。【結論】高度狭窄を伴った症例でもCRTにより一定の通過改善効果が期待できるため、検討されるべき治療であると考えられた。 |
索引用語 | 高度狭窄をきたした食道癌, 化学放射線療法 |